ヒロイン(村娘フリージア)が、なぜかヒーロー(でいいのか?)(勇者アーヴィン)に見初められて、猛烈な求愛を受けます。しかしヒロインは、世界中から切望されるヒーローを好きになれません。
存在が怖すぎるし、話しを聞いてくれないし、望んでいないものを押し付けられる…それに第一…ヒーローの目がモンスターと同じ。それなのに外堀が強引に埋まって行き、追い詰められて、夜逃げします。ヒロインの夢は一流料理人。元々修行旅行をしたかった為、前倒しで実行するつもりでもありました。しかし旅先でいきなりヒーローに追いつかれてしまいます。
序盤、まず超絶ハイスペックのヒーローがなぜヒロインに魅了されているのか、まったく分かりません。ヒロインも気の毒なんですが、割と浅慮でおバカっぽく見える。この物語、どこに着地したいのでしょう?迷走の予感でした。
それにヒーロー、問題あり過ぎ。ヒロインが自分のものにならないなら、この世界ごと消し去ってもいいんだよ。とスケールの大き過ぎる脅しを度々。しかも本気。ヒロインの寝所に無断で忍び込む。恋の妄想に興奮して息を荒くする…変態!怖い、怖すぎる。ドン引きするしかない。
しかし第6話、7話でヒーローが魅了された経緯とヒロインの持ち味が分かります。ヒーローは数多の命を犠牲にして世界を救いますが、その後の世界は代償に見合うものではありませんでした。深い絶望に沈んだヒーローは、自らの命を絶つ行動をします。
通常の手段では死ねないヒーローは餓死を試みます。森の中で、もじゃもじゃ姿の男を見つけたヒロインは、手料理を振る舞い、ヒーローを助けます。そして魔王が倒された後の世界の方がいいと輝く笑顔で答えます。彼女に心を救われたヒーローは、瞬く間に恋に落ちるのでした。
この場面で、ヒーローの深い絶望とヒロインの無垢な魅力が理解出来ました。そしてヒーローの言葉が脅しではなく、素で本気だという事も。
ヒーローは、ヒロインの素材の味を舌で確かめたいという修行旅行に同行し、飛竜の肉を入手してあげるとか特別な補佐の方が、射止められると思いますが、財力で店を持たせてあげられるとか、的外れなアピールになっています。
この先どうなるのでしょう?ヒロインが業の深いヒーローを見捨てられなくなるのでしょうか?一押し二金三男、3条件すべて満たすヒーローに押し切られてしまうのか?楽しみです。