作画は奇麗。ヒロインと皇帝のシーンは、そこを切り取ればいい感じのシチュエーションではある。
問題点は、『ヒロインサイドは理解しているけど読者には一切開示されていない設定』を重要な前提としてストーリーが進行すること。特に2巻で顕著になるが、「いや当たり前に会話されてもどういうことかさっぱりわからんし…」としか感じない。目の前で初見の専門用語をふんだんに交えての会話劇を見せられている感じ。この構造のせいで、ヒロインに感情移入できず、かといって皇帝の方もとても感情移入して読み進めていくような人物ではない。
よって、読者は完全に蚊帳の外から物語を観察するような構図になってしまう。物語として面白いか面白くないかで言えば、面白くはない。前述の通り、シチュエーションは良いため、『なんだか良くわからんけど二人は尊い』みたいな感じで読むのが正解か?