表紙の美しさに惹かれて購入。とてもよかったです。
攻の淳がダンスを始めた理由が、受の晃介の母。晃介がもう一度ダンスをしたいと思えた理由が淳、という運命の巡りから始まりますが、「お互いが母/彼女でない誰かを愛すると決断するまでの物語」であったと感じました。
作中で淳と晃介は「責任」の話をするのですが、淳の中でうっすら未練であった彼の母への想い、その後ろ髪から気にかけていた(であろう)晃介を一人の人間として認識し直し、愛することを「責任」だと明言するのがすごく好きです。彼女が理由でなくなったら、そこには大人としての責任がある。真摯な攻だと思います。
そして受の晃介も、母を知る人物、母の面影を見出せる人物としてでなく、一人の人間として淳に惚れ、愛していきたいのだと腹を括る。お互いに責任が発生したところで、二人の中で共通の未練であった母(彼女)が思い出に変わり、思い出の曲を踊るシーンはまさにエモーショナルです。
真摯なふたりが、真っ直ぐに愛を踊る。終始美しいお話でした。