この作家さんの他の作品も読んでいるのですが、やはり魅力的かつ露悪的な男を描くのがすこぶる上手い。どこか超越的でありながら可愛くも思える主役二人のやり取りに魅了されます。本作は悪魔と人間の関係を描いていますが、これまで世に送り出されてきた悪魔を主題とする圧倒的名作の影が過るような濃厚な読み味です。語ることなく読み取らせる人物の背景や心情。手書きで入れられた影の一つ一つ。そういった細部から匂い立ってくる作者のこだわりが凝縮された一作。韓国本国では2巻まで出ているようなので、ぜひ続刊も翻訳配信お願いします。