新刊作家買い。発売前からすごく楽しみにしていました。
高校時代、ゲイであることを理由に壮絶なイジメを受けていた鯉川と、そのイジメの首謀者だった柏木の物語――。
力強い線と鮮やかなコントラストで描かれる、夜の街が最高。欲望が渦巻く不穏な空気に、一気に物語の中へ引き込まれる。
任侠が絡んでいそうだったので覚悟して読み始めたのですが、血の気が引くような残酷なシーンはなかったです。
ストーリーは二転三転して意外な方向に。
最初は「この二人、どうなったらくっつくの!?」なんて思いながら読んでいたのですが…
全部読んだ後もう一度読み返すと、最初から二人は惹かれあっていたんだなと。
人間の愚かで臆病で醜い部分…その全てを受け入れ包み込むような、作者様独特の視点が好きでした。
エチ控えめ。綺麗に1冊でまとまっています。
綺麗に収まり過ぎじゃない…?とほんのり思わなくもないですが、重さと軽さのバランスが良くて、前作に比べるととても読みやすかった。
個性的な作画と影のある世界観が魅力的な作家様。次の作品も楽しみにしています