遼馬の懐が海のように広い。
ぱっと見の雰囲気から良い意味で印象が違いました。
ハッキリした物言いなのにどこか優しさが滲み出ている。玲臣があまり時間かからず心を開き始めるのも分かります。
玲臣も根はとても良い子なんだろうと感じる言動で、ふたりが兄弟らしい気安い会話をしているとほっこりします。
ある事情から銭湯を利用し始めた子にとってもいつの間にか居場所のひとつになったり、そこで主人公たちと他愛もないやりとりをしたり、とにかく心がほんわり暖かくなる作品。
実生活で胸中に不穏な波が打ちつけている時もこの作品を読むと荒れた海が静まっていくような感覚を覚えます。
まるで銭湯に来たみたいな、そんな気分になる。
素敵な作品です。