ネタバレ・感想あり月とピエタのレビュー

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映画を観た後のような読了感
ネタバレ
2025年11月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先生のXを見て、これはきちんとレビューを書かなければと思いました。
先生の描きたかったものを出版してくださったカドコミ様には一読者からもお礼を伝えたいです。

美大生と講師のストーリー。
美術について触れている部分もあるのでとても興味深く、色々調べながら読んでしまいました。
先生ご自身も美術を学んでいたのでしょうか?表紙や百合川先生がモデルを務めるときの身体のラインの美しさが強烈に印象に残っています。

そして何より人の感情の機微がとても細かく描かれているので、陽介の苦しみや、「人の気持ちがわからない」と言いながらも陽介を想う先生の温かさが痛いように伝わってきて思わず涙が出ました。

家族のことに後悔や重圧を感じながら生きてきた陽介と、特性を持ち生きづらさを感じながら自分なりの生きやすさを見つけ出した先生が、お互いの存在によって心から笑えるようになって、こちらまで幸せにそして心が浄化された気分です。

ハッピーエンドですがこれからもまだ越えるべき壁や困難、嫌でも向き合わざるを得ない偏見などたくさん残っているんだなと思わされるのもとてもリアルだなと思います。

ちなみにエッ///シーンはありません笑
ただ、先生の画力とここまで感情移入してしまったふたりの今後やそんなシーンもぜひ!読みたいです!
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罪深い
ネタバレ
2025年10月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 陽介のアンバランスさには何か理由があるとは思っていたけれど、明確になるのは下巻。

自分の性的指向を無意識に否定し続けていた陽介。ホモという言葉に過敏に反応し、自分に向けられる場合は異常に怒る。反動形成。
クリスチャンの家で、兄が男性の恋人ができたら、家から出され音信不通。家が壊れた、「あなたは普通に」と言われ続けた幼少期。
無理して女子と付き合って、笑って優しくして傷つけないように振る舞い、自分に嘘をつき続けた。
それは、クリスチャンである一家が、兄をいなかったことにし、同性愛を「神にそわない」ことだとしたから。
罪深い。個性を個人の性的指向を当たり前のように認めなかった。家族でいられるように、おかしいと思われないように、「普通」でいられるようにと言い聞かせ、生きづらくなった。

目を奪われた人は、解剖学の変人と言われた講師。
生活や自分にあまり注意を払わず、物をよくなくし、言葉を飾らないから相手を怒らせることがある。
でも、一緒にいると息が楽になる。

目が月のように綺麗。
ピエタは宗教画。ブグローの描くピエタは哀れみよりも怒りを表現しているように見え、見透かされるよう自分が怒られているように感じる陽介。
自分の内面との葛藤を打ち破ったのは、大切な人が傷つけられたときの怒りと失うかもしれない不安。
陽介のピエタは、月のような愛しい人に出会えたことで、慈愛に変わったのかも。

わがままでなく、ありのままに生きることの難しさ、葛藤の乗り越え方、難しいテーマが「絵を描く」ことで表現されているようにも感じる。

エチシーンはなし。でも、2人は恋人になる。
大切なものは、他者の目など気にならないほど価値があるというニュアンスは素敵だ。

上巻のオマケに、まだ上巻で付き合ってないのに、付き合って3年の話があるんだけど(笑)下巻に入れて欲しいな(笑)
こころに刺さるストーリーです!
ネタバレ
2025年10月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ なにしろ表紙のふたりに釘付けになり購入しました。

生徒だけど、対等に扱ってくれる
素敵な先生

上下巻一気にひきこまれ感動

ぜひ読んでいただきたい一冊です
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心に沁み沁み
ネタバレ
2025年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵が本当に綺麗で、絵に惹かれて読んだのですが、セリフひとつひとつに説得力があって心をギャンギャンに揺り動かされました。
上巻、ブグロー展の後の石膏室にて「君の絵が好きですよ」と言う先生の背中に石膏の羽根が重なるシーン。あそこで、主人公がまるで何かの啓示を受けたかのようになるところがもう……!!!!全部読んだ後に、あれは正しく今後を示す大事な伏線だったのだと実感できるのです!!!
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綺麗な絵だな
ネタバレ
2025年10月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初は綺麗な絵だな、と思い読んでみたら、色んな感情や味方考え方があって特に絵に対する気持ちや解釈が凄い!!!って思う場面があり、絵画に詳しくない私でもその展覧会行ってみたいと思えてしまいました。いい子でいたことで困ったことそんなはずではないって経験はすごく共感できた
先生の他人に期待しないのは自分を守るためっていうのも勉強になりました学びがたくさんあるお話だと思う
余りの綺麗な表紙に紙の本も買ってしまったw
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映画や小説のような満足感と余韻
2025年10月13日
この作品の事はSNSで知って単行本が出るまでずっと待ち遠しく感じていました。作者様の思い入れが人一倍詰まったとても大切な作品をやっと読ませていただきましたが…いやぁ刺さった。いや〜さ、もう試し読みの時点ですごい衝撃だったのでね。表紙だけでも画力で殴ってくるのが分かるじゃないですか?もう…圧倒されてしまって。ストーリーもすごいんだよな。この生きづらい世の中でもがきながら距離を詰めていく2人が愛おしくて愛おしくて!!!下巻の最後は読みながら気付いたら涙が溢れてましたよね。2人が出会えて本当に良かったな、これからも2人で手を取り合いながら過ごして行って欲しいなぁってしみじみ思いました。あと個人的に百合川が癖に刺さりすぎてたまんなかったです♡♡
大地幹先生、諦めずにこの作品を世に出してくださって本当にありがとうございます!!!間違いなく出会えて良かった心に刺さる素敵な作品です!!
心に響くものがある
ネタバレ
2025年10月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 某所でとある二次創作から作者さんのことを知りました。私は文才がないのですが、この作品を購入して心に響くものがあったのでレビューを書いています。
最後の陽介の卒業制作の絵に心惹かれました。様々な出来事があってこそ、あの絵は美しく見えたのだと思います。
購入に迷っている方がいるなら、是非おすすめしたい作品だと思います。
この作品に出会えてよかったです。
今年読んだ中で一番好き
ネタバレ
2025年10月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 【あらすじ】
人に嫌われることを極度に恐れ、いつも作り物の笑顔を浮かべる主人公の茨木陽介
周りを気にせず、自分の好きなものに正直な講師の百合川
そんな2人が出会って少しずつ仲を深め、惹かれ合っていくお話です。
物語が進むにつれて、少しずつ主人公の過去のトラウマや、変わり者に見えた先生の心情や考えが少しずつ明かされて行きます。

【感想】
一巻完結の漫画だと好きになる過程が流されがちで読後に「なぜ好きになったの?」と納得できないことが少なくないのですが、こちらは好きになる過程が丁寧に描かれ、心理描写も丁寧なので、納得感があり大変良かったです。

表紙から想像していた絵とは少し異なりあっさりしていましたが、とても綺麗で読みやすいです。

周りの目を気にしてばかりの主人公が周りの目を気にせず本当に自分の好きなものを選択できたことに感動しました。
心が揺さぶられるものがある
ネタバレ
2025年10月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ なんでレビュー少ないんだ?!って左右キョロキョロしながら書いてます。
美術大学が舞台なんですが、終始凄い専門的かと言われるとそうではないですが「あ〜…この雰囲気…」という圧を要所で感じます。
凄く殿様な教授からグチグチ言われても最終的に正論パンチで跳ね飛ばして凄いよ陽介…

愛想笑い、八方美人が原因でストーカー被害に遭ってしまった陽介。
嫌な教授から「才能ない。就職活動頑張れ」とバッサリ評価されても笑顔が張り付いてしまうくらい愛想笑いをしてしまうのだが、周りから嫌われることに一種の恐怖心を抱いている。
だからこそ絵を書いている時は自由で息がしやすくて、書いてる時間が日々の癒しだった。
しかし、ある日…変人で有名な解剖学の百合川先生の講義のレポート提出日を失念してしまい、期限をズラせないか交渉したらダメだった上、「面白くないのに笑ってるの、辛くない?」と言われてしまう。
突拍子もなく言われ、頭にきた陽介は普段の八方美人さを忘れ「うるせーな!」と怒鳴り返してしまい、その場から逃げた。
セルフ反省会から彷徨い、深夜に帰宅するとマンションのエントランスに百合川が立っていて?!
予想打にしない展開に固まっていると…
という1話から、陽介が息をしづらくなってしまった出来事、世間一般からのLGBTに向けての心ない矢言葉の数々、そして百合川と過ごしていくに芽生えた恋心…

本当に自覚のない差別が降りかかってくるので注意されたし!です。

いや…全部が全部リアリティありすぎ…でも漫画らしく綺麗に着地できてよかった!

次回作楽しみです!
凄く好き!
ネタバレ
2025年10月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ エロが皆無だけど、そんな事はどうでも良くなるくらい
まるで絵画を鑑賞しているような、心が洗われる素敵なお話で大好きでした。
絵がとても綺麗なところに最初は惹かれ、先生のXで発売を知り気になって楽しみにしていました。
陽介が百合川先生に惹かれていく様子に、私まで百合川先生素敵だな〜といつの間にか思わされていました。
周りに気を遣いすぎて愛想笑いばかりしてしまう陽介も
不器用だけど自分をしっかり持っていて、周りの目を気にせず好きなものは好き!な百合川先生
どちらの気持ちも凄くよくわかるし
恋愛においてだけでなく、人間関係においての真理を見せてもらった気がします。
だから、何度でも読みたくなってしまうんだな。
年のせいかもしれないけど、私も周りを気にせず百合川先生のように
自分軸で生きていけたら幸せだろうなと思いました。
陽介が描いた絵に対する感想のように私も『心にとても響きました』。
また続きのお話があるなら、絶対に読みたいです!!!
なかなかここまでに至る道のりが大変だったと伺いましたが
この作品を生み出してくれた先生は勿論、世に出してくれた関係者の方々にも感謝しています。
こんな素敵なお話に出会えて幸せです。
ありがとう!
2025年10月11日
SNSで試し読みを見てから気になっていました。
陽介の八方美人なのに自分をさらけ出せないところ、ものすごく共感しました。
百合川先生が陽介の言葉で少しずつかわっていくとこほにきゅんとしました。
登場人物たちの心理を丁寧に追っていくことで、物語に没頭できました〜!
最後幸せで良かったです!
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不思議な感覚に陥っている
ネタバレ
2025年10月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み応えあるし、何なら3回既に読んだけど、何だろう。。
物足りないような、でもしっくりくるような。
心理描写が少ないのかな。でも読んでいて不快感はない。
もっと先生が好きになるまでの過程が文字としてあると良いのかな?
でも表情で分かるんだけど。
何度か読めばわかるかな。
でも好きな話ではある。
話の目線が先生ではなく、主人公過ぎるからかな、私には少し物足りない感じ。
後はジャケ買いだったけど、中の絵はちょっと違う感じがする。
意外とあっさり風味/胃もたれしたい属
ネタバレ
2025年10月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作家さん。
Xでたまたま出会い、発売日に読みました。
辛口に書いてしまったので、お好きな方はそっと閉じてください…。


●ある過去の出来事が発端で、自分を曝け出すことに臆病な美大生と、人の目を気にしない変わり者の美術解剖学講師が互いに惹かれていく話。
上下巻だがあっさり読める。冒頭に出てくる主人公が感化されたピエタのモチーフは面白いが、ストーリーラインの既視感からは抜け出せず、意外性や独自性という意味ではもう少しだったかも(偉そうにすみません…)

●もう少しキャラに語らせず、読者に委ねてほしいと思ったのが一つ。一から十までモノローグが入るので、手に取るように主人公の迷いや揺らぎが伝わる。
でもこれは漫画なので、もっとに絵に頼っていいし、沈黙に頼っていいのではないかと感じた。逆に言えば読みやすいので、好みの読み味かどうかという話でもある。

●表紙の絵はすごくいいのに、本編の絵が惜しいと思ったのがもう一つ。
淡白でキリッとした筆致だが、一本一本の線(特に瞳)に色香や感情の残り香を感じたかった。必ずしもキャラの表情=感情そのものではないと思うので。

●百合川先生がかなり良い。白いワイシャツとダークカラーのトレンチコートが似合うメガネで黒髪の細身の男って、嫌いな人いるんでしょうか(?)。”変人”がユーモラスに振れて可愛げに変わるのは見事。ただ、綺麗でなければガチのヤバイ人で終わったかもしれない。
雨に濡れてシャツが透けた百合川先生の綺麗な体を、指の隙間からガン見して溜息ついた。「私はあの絵好きですよ」と話す百合川先生には羽が生えていたので、きっと天使なんでしょう。

●終盤は、突然誰オマな展開がドーン降りてきて、荒波乗り越えメデタシだったのだが、あまりの急展開に運痴な私は波に乗れずに潮が引いてしまった。

●めちゃくちゃ繊細に深掘りされて欲しいところが意外とスルッとサラッとツルッと通過したために、読後は胃もたれせずに店(作品)を出られますが、もしかしたら私はこの作品で超絶胃もたれしたかったのかもしれん…。

ダラダラとした感想ですみません。
自分が読みきれてないところも沢山あるはず。

最後に。
上巻のおまけが下巻後の2人を描いてるので、ご注意。(ネタバレではないが拍子抜けするかも)
あと、エッはありません。キッのみです。
成長に向けての一歩?
ネタバレ
2025年10月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ さまざまな苦労を経て書籍化が叶ったという経緯を某所で拝見し、読むと決めていた作品。早速上下巻読みました。

絵は丁寧で描き込みも繊細、コマ割りや構図も見やすい。ストーリーとしては作者様のいう通りあらかた王道展開、主人公が都度モノローグで心情を語っているため難しく考えずに読めます。

前提として主人公の人物像が「美形で大学一モテる」という設定と結びつきにくかったのは気になった。あと誘いを断れないのは分かるが「嫌われたくないから」だけで好きでもない女性と行為直前までいくのは、主人公の家庭環境を加味しても疑問ではある。
百合川先生は良いキャラ。ミステリアスな人が実はお喋り好きだったりするの可愛いし分かるなぁと(笑)
上下巻通して印象的だったのは「主人公たち2人以外は悪(敵)」みたいな空気で描かれている世界観。その描写があからさまでややリアリティに欠けるかも。

読む前にちょっと自分の中で期待値を高めすぎていたからか(個人的にはエロは必須じゃないのでそこは無くてもマイナスではないです)思わず膝を打つ様な圧倒される何かがある感じではなかったかな。
主人公は葛藤の末「自分を好きになれない、理解者がいなくて寂しい、周りは分からず屋」の状態から「自分の味方は自分、先生は同士で理解者、周りは相変わらず分からず屋だけどもう気にしないから楽!」という段階でエンドを迎えている(ように見える)ので、主人公の成長物語という視点でみても、読後も完全にはすっきりしきらない感じ。
最後「一人じゃない」と思えた二人ですが、本当の意味で生きづらさから解放されるには根底にある他責の念を振り払えたとき…つまりもう少し時間がかかるのかなと思います。でも一人より、二人で歩める一歩が心強いですよね。
私も百合川先生の解剖学の授業受けてみたいなぁ。
(身なりを整える前の感じも好きです(笑)

※おまけとして上巻の巻末に「付き合ってからの二人」の漫画が先に出てくるので楽しみをとっておきたい方は注意です。
世間から嫌われる腐女子の代表格
2025年11月16日
NOTEで作者の文章を読み、面白そうと思ったのが運の尽き

反LGBTQ+やホモ連呼は一昔前前のBLのお約束なんでまあそういうものかなと思ったが、
その差別的言説が非常にひねくれていて悪魔というか人格障害のよう。
なのに男同士の恋愛を描くというもうむちゃくちゃ。

これで編集何軒も持ち歩いてやっと本になったというが、これを本にしたらまずいとこの会社は思わなかったのかな。

姉、地方出身など鉄板ネタが満載で、面白くもないし低レベル。
久々に金返せとおもった。
物語としてもだめなんだなーこれが。
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作家名: 大地幹
ジャンル: BLマンガ
出版社: KADOKAWA
雑誌: カドコミ