ネタバレ・感想あり君を見送るのレビュー

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楽しみにしてました。
ネタバレ
2025年10月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先生の新作だと、嬉しく思い購入しました。とても良かったです。
ネタバレなしが良いと思います。

帰りたいじゃなく、還りたいと無意識に思う時があるなと思い出しながら読みました。どこに還りたいかと思ったら、一番若くて充実していた時期なのかなと思いますが、そんな場所はもうある訳じゃなく。幸運な事に柊平には残っていて(…また作ったというか。あの、同じ場所に引きずり落とす様な柊平がかっこよかったです。)そしてズルいんですよね。眠っている藍の背後から抱きつくの。俺だけが救えると藍は思うんだけど、やっぱりそこは大事なものから逃げてきてるだけだからと、そんな攻めキャラは…とハラハラしながら読みました。だからだと思いますが藍の泣き顔が子供の様で。あんな風にあの歳で泣けるのかと。そこもとても良かったです。

都市にいると夜の明るさがあるからか分かりにくいですが、自然の多い場所にいると夜になったら真っ暗なんですよね。作中は移りゆく季節と自然でしたが、本当に朝は朝の風が吹いて、昼過ぎからは強めの風が吹き、夕方にはそこの場の主(動物)が現れるというか。物語は藍の様に地方都市から都会には行かなかった人の心理もまたあって。藍の還りたい気持ちの昇華も感じました。代わりはいくらでもいる、というマネージャーの言葉は、消費だけする人の言葉だなと思いました。代わりはいないんですよね。やっぱり。だから柊平は出奔したんだろうなと思いました。

行ってきますと言える場があるって幸せだなと思います。あとはどう土に還るなのかなと。あるカプの愛になるまでのお話だったのかなと思います。読了して温かい気持ちになりました。良かったです。
途中…
ネタバレ
2025年10月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 緒川千世先生の新作!やったね!個人的にはネタバレ無しで読んで欲しいかな…
でも、破壊と再生の人々が優しいお話でした。疲れちゃった時に読んでね。




途中、柳が末期癌とかで余命幾ばくで自暴自棄になったんか?と思ったのですが、そうじゃなくてよかった…と安心しました。

緒川千世先生の受けはエネルギッシュで身体全て使ってまるで彗星のごとく生きてるけれど、それ故、傷付きやすく蓄積してった傷が神経まで行って悲惨な目にあってしまう…そして攻めが待ってましたと至れり尽くせり介護して最後は攻めがいないと…というような光が強い分、闇も強い所が本当に大好きでねぇ…

でも今回は、大人になって疲れた攻めが、手を離してしまった受けに助け助けられる話。
読み進める内に、先生のTwitterでのご苦労されてる様子を思い出して、この話は先生自身の救済でもあるのかな…と(勝手に)思い、筆をしたためています。

作中、四季折々の風景が出てきて、心の傷が癒えるまで時間がかかるのを体現してくれてる中で、傷付いた柳に、みんな口にしないだけで優しく見守ってくれてて、それもまた、柳が生き返っていった要因でもあると思う。
東京で自分がわからなくなるくらい消費されきって壊れちゃった(マネージャーも調整してたと思うがSHUも野心があったから自分自身が気付けなかったくらいに摩耗されたんだと思う。摩耗され続けて脆く割れたというか)柳が、藍だけには唯一残ったモノを全部さらけ出して、藍も藍で大人になって諦めてたことを思い出して二人して息を吹き返す姿に安堵しました。

柳が本名で役者に復帰し、仙台に残った藍の家に「ただいま」と言って帰ってくるシーンで、心の有所を見た気がして…柳は疲れることはあっても、もう壊れることはないかな…と思いました。

あとSHUのマネージャー…すげぇ嫌な奴じゃんって思ったけど、柳の復帰作後に監督からの内オファー貰った際のなりふり構わない姿に溜飲が下がった…
みんな必死なんだな…後で藍に謝れよとは思ったけど、マネージャーにも信念があるから悪いとは思っても謝らない気がしたな…いっそマネージャーがなりふり構わず力技(意味深)で仕事とってきてる夜の部が見たいですね!!!コンプラ的に無理ですかね?!!!

私は先生の作品好きだから次回作も楽しみ!
この作品が誰かにとって救いでありますように。感謝。
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作家名: 緒川千世
ジャンル: BLマンガ
出版社: 大洋図書
雑誌: HertZ&CRAFT / ihr HertZ