さらりさらりと優しい絵で描かれているものですからフワリと読み終えたのですが、この作品に救われる方もいらっしゃるだろうと感じました。
高校生の時に5歳も離れた少年に恋してしまった穂澄。
思いつめて煮詰まって苦しかっただろうことは想像に難くないです。
彼の言動を読めばとても誠実で思いやりがあり寛容であるが故、己の抱いた愛情を何度も反芻してもがき苦しんだに違いない。
そして、彼に突然告白されてしまった秀太郎。
その秀太郎の背景がまさかと思う程残酷で、いや、リアルで、頭を抱えながら読みました。
人が生まれて一番近くにいるだろう人間に弾かれるとは、存在を否定されるとはどういう事か。
自分に気づいてくれる人はいるのだろうか、自分を受け入れてくれる場所はあるのだろうかと絶望と孤独の穴に落ちてしまったことでしょう。
その秀太郎の孤独の穴に突然飛び込んできた光が穂澄。
雪崩を起こすように穂澄に傾倒する秀太郎の背景はここだったのかと終盤になり涙を流しながら読みました。
あとがきに先生もおっしゃっていますが、”人とつながる””自分の人生を生きる”。
生きていれば色々な人と出会い、経験を積み、影響を与え与えられ、苦しいことも嬉しいこともある。
乗り越えることも迂回することもある。
そうしていく中で、大切な人、大切な人たちと人生歩んでいくのだとあらためて感じられる作品でした。
商業デビューコミック。
とても感動しました。
**218ページ**