本当に前作の、ただのパラレルワールドという感じでした。
そもそも、私がアリーズに続編が?と知った時も、前作で十分完結していると思うし、そもそも、必要性自体あるのかな?と思いつつ、読んでみました。結果、見事に失望。多少、このままでは地球が危ないなどの危機感を煽りつつも、総じて話の起伏や緊張感に欠けた、まどろっこしい、ストーリー展開が目立つ。神々の間でも、多少、役割が変更しているだけにしか、見えない。そのまんまアポロンが、かつての父親のゼウスが担っていた、画策する役割を、引き継いでいるだけの感じでしたし。まるで悪どさを除いたゼウス、というような感じです。それに、各設定も、密かな前作連載時の読者達の希望カップリングとか、同人誌的な、あったらいいな的カップリングとか、設定のように見えてしまいます。例えばこの作品ではベルセフォネーがポセイドンとカップルになっていたり、ヘスティアとアテナが女子高生で姉妹になっていたりとか。個人的には、ポセイドンとアンフィトリテが、本作では親子になってしまっているのも、かなりショックでした。また、前作では憎まれ役ながらも、終始、背後に隠れ、不気味かつ強力な存在感を漂わせていた、大物の敵という感じだった大母神レアも、本作品では本当に終盤近くに突然登場させられ、更にただの操り人形の悪役、その他のかつての神代時代のハデス達の、その他の敵達と同じ扱いに格下げされている感じだったのも、何か物悲しいような。かつての大物の敵役ならではの貫禄は、微塵もありません。しかも、特に戦いらしい戦いもないまま、あっさりと決着。過去の映画作品ではラスボスのような存在だったはずの、巨大な敵役が、その後の別作品では操り人形的な、その他大勢の悪役の一人に、格下げなんて、まるで聖闘士星矢の、映画版のような感じ。このように、随所に、どこか適当感が。とにかく、アリーズの続編ということで、描きさえすればいいやみたいな。また、作者が何かと個人的趣味に走っているような感じが。頻繁なティータイムに、デメテルにまで、マダムのナイト役みたいな美青年がいたりとか。そして前作が好きだからこそ、私は敢えてこちらの方は勧めません。これも、前作を作者自身でだめにしてしまったパターンかと。続編に名作なしのパターンを、この作品も踏襲。それに何より、あまりにも変貌著しい絵の変化にも、私は付いていけませんでした。