モテモテのルイス。自信家で傲慢だけれど、愛する妻カレンへは一途な愛情を持っていて惹かれる。独占欲が強くカレンにも いちいち気の毒には思うけれど責任感も強くて逃れられないだろう。これは、世間から見れば立派な家長となる。物語の中に母親の存在が「悪者」として登場するが読むにつけルイスは母親似。その性格そっくりで笑ってしまう。ルイスに正義感が無ければ母と同じベクトルで歪んでいっただろうなと(笑)一時代前の父親像そのもののルイス。揺るがない一環とした態度は逞しさを漂わせしかし、非をも認め謝罪する素直さと、カレンへの優しさも見せていて惚れ惚れする作り。昨今は草食系などと揶揄される男子達だが、ルイスの爪の垢でも飲ませてもらってはどうかと真剣に考えてしまうHQならではだ。記憶をなくし不安の只中に在ってもカレンを取り巻く家族や友人の温かさは、ルイスのカリスマ性のおかげに見える。「何があっても離婚はしない」という言葉に、カレンは真実への不安が大きくなるのと同時に、安堵も大きかったことだろう。悪意あるベアトリスと対峙するときも記憶が無いときのほうが切り返しが良いのはそのおかげと読める。結局はベアトリスが自分で墓穴を掘って、自分で墓穴に落ちてハピエンとなった。あ~気分が良い