ネタバレ・感想あり25時のバカンス 市川春子作品集IIのレビュー

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天才が彩る物語3作
ネタバレ
2024年12月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 約240ページ、表題作(前後編)100ページ超+長めの読切2作入り作品集。
サイエンスなファンタジーをまとって、あくまで表面上は軽やかに、心の奥底を笑顔で抉ってくるんですよね〜。素晴らしい。あとこれ、全作品に天才が出てきますね。天才は良いものです。
〜〜〜〜〜
・表題作 姉と弟の恋模様に、マッドなサイエンスをプラス。姉の激しい感情がザクザク刺さります。自分が自分である限り叶わない想い、罪の意識、自分を壊すことも厭わないほどのその激情が切ない。そして最後のあのセリフは、「許可」の意味ではなく、彼女の真の「願望」だと思う。星5つ。
・『パンドラにて』土星の衛星の女学院が舞台。優秀な「兄」に対して反抗的な主人公、そこに寄り添う無口で忠実な少女……ずっと無言だった彼女が作中ではじめて発した言葉にグッときます。物語中ではセリフと回想シーン(顔は見えない)でしか出てこない「兄」の、支配的な狂気がおそろしく、「愛」という言葉の空虚さがすごくてもう。そういうの好き。ダンスのシーンが美しいです。星5つ。
・『月の葬式』息が詰まって北に逃げてきた高校生と、妙に明るく人気な男の、擬似兄弟暮らし。月の文明、謎の病気、ラストのまとめ方、いささか設定の盛り方の分量が自分好みではありません。が、「兄」が軽い口調で語った、ひとりの心細さの描写が良かったです。星4つ。
ハマる人にはハマる
2024年7月18日
ファンタジー系SF作品であってる⁈
SF作品だけど日常が描かれていて
ハマりました。
私は月の葬式が一番好きです。
泊まった家の家主の告白シーンの
ページのグラスに映る主人公の
描き方。
さすがデザイナーさんやってた
だけあるなぁと思わせる画力。
素晴らしいです。
近親、百合、疑似兄弟 × 極上のSF!
2023年3月21日
↑↑↑並べると字面がすごい。のに、下世話な感じが一切無く、ひたすら透明で美しい。『宝石の国』の著者、市川春子先生の2冊目の短編集です。
姉と弟、天才少女と口をきかない少女、天才高校生と田舎の「王子様」。対照的な2人が心をつなげていく、美しくて少し切ない物語です。ハッピーエンド風味が多めなので、『宝石の国』の鬱展開に心を折られた方も、安心してご覧ください。
市川作品初見の方で「サンプルの雰囲気、あまり馴染めないな」「いまいち話がわかりにくいかも…」と思われる方もいるかもしれません。でも大丈夫!無機質な印象の絵柄、独特のせりふ回し、初見での分かりにくさと違和感…ハマると全てが魅力に変わり、何度でも読み返したくなること間違いなし!
こんなレビュータイトルをつけてしまいましたが、宝石のような一冊です。ぜひお試しください。
美しい
2022年8月6日
表現、言葉すべてが心に刺さってしまう物語ばかりでした。
こんなに美しいお話を書ける先生が大好きです。
異質な美しさと人間的感情
ネタバレ
2022年5月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作の「25時のバカンス」。美しく優秀な研究者の姉と自由気ままな写真家の弟、どちらも人とは違うナニかがある。時々、ゾッとするほど美しい描写に、切なさと焦ったさが混在している。宝石の国の作者さんということもあって、作品の設定には、未知の生物や未知の世界線がたくさん出てくる。どれも美しいけれど、どこか不安定で、そしてそのアンバランスさが本当にクセになり、どんどん引き込まれていく。特に、表題作の夜の海での描写が、作者さん特有の筆致で、妖艶に、けれどどこか不安をかき立てるようで、その絵を眺めているだけでも、満足できるお気に入りの作品である。漫画だから、当然モノクロの世界なのに、ここまでゾクリとさせられる絵に、嘆息してしまう。そして、それだけではなく、このお話で描かれるのは、異質な世界線で繰り広げられるひどく人間的な感情で、そこがまた素晴らしい。一冊でとても読み応えがあり、読了後には深海でひっそりと息をしているようななんとも不思議な気分になる。静かな夜に読むことをオススメする。
なにもかもが素晴らしい
2022年1月20日
宝石の国作者の短編集。魅力的キャラクターや壮大な死生観だけでなく、この漫画を構成する全てが素晴らしい。とても読み応えのある短編集。
余韻が長く、読了後はしばらく他の漫画を読む気がしない。
面白くて好きです
2021年4月21日
グロテスクな内容なのに気持ち悪さがなくて面白い!会話のツッコミとかの言葉選びがすごく真似したくなりました。
綺麗…
2020年8月3日
セリフも絵もとにかく美しい。
映画を見ているような気分になりました。
書籍も購入しましたが、装丁が素敵ですね。
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不可解なものに触れる感覚
ネタバレ
2020年7月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全三話。
どのお話も、あり得ないもの、空想的なものが当たり前に編み込まれていて、読み進めるほどに、まったく知らないはずなのによく知っているような不可解な感覚に襲われます。
全てが全て、100%のハッピーエンドとは言えませんが、読んでよかったと、繰返し読みたいと思える一冊でした。
あと、個人的に市川先生のちょっとシュールな笑いのセンス、大好きです。
世界観が天才
2020年2月10日
星新一さんのショートショートっぽいミステリアスな近未来SFストーリー、美的なセンス溢れすぎの絵で美しく儚い作品に仕上がってます…天才。大好きです。特に25時のバカンス。弟が素敵すぎる。
切ないようなあたたかいような
2019年3月29日
読んでいてとても切なくなったりあたたかい気持ちになったり、ふいに笑わせるコマがあったりでとても面白かったです。
1回じゃよく内容を掴めなかったので、何度も繰り返し読みたいと思います。
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何度でも読み返せる
2017年8月10日
市川先生のセンスと、物語のオチに驚かされます。素敵な絵と素敵な物語。個人的に絵柄が大好きな作者さんなので、見ているだけで幸せになれます。オススメです。
愛の形は様々
ネタバレ
2015年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ グロテスクなのに美しい。愛が深いストーリーです。グロテスクなものや、たくさんの穴が開いているようなものが苦手な方はやめた方がいいです。
古いけど新しい
2014年3月6日
タイトルと絵に惹かれて購入してみました。
古い作品なんでしょうけど、現在活躍されてる作家さんの誰もこんな作品は書けないだろうと思える、この作家さん独特の斬新な発想で、まさにワールド。
絵も美しいです。
ジャンルとしては、SFファタジーが一番近いかなぁ?

この作品の次に市川春子作品集1の方も読みましたがどちらもお勧めです。
おぞましくも美しい世界
2013年8月2日
二冊目の短編集である本作は、一冊目よりもグロテスクなシーンがチラホラ見受けられます。けれども、変わらない独特な世界観、シンプルだけど説得力のある描き方、不思議なユーモアが、市川春子ワールドを盛り上げていると思います。
安定の市川春子。
2021年3月13日
個人的には一作目の作品集の方が読みやすかった。しかし世市川春子ワールドという点では安定してます。
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独特の美しさ、少しの不気味さ
2021年1月5日
後の長期連載ものとなる、宝石の国に通ずるエッセンスがたくさん散りばめられた作品だと感じました。
宝石の国好きな人なら買いです。
ただ、男性の体に穴が空いている描写は直視できません…集合体恐怖症の方は要注意です…☆-1で…
市川さんの世界
ネタバレ
2019年10月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 世界観に引き込まれていると、ふいに小さく悲鳴をあげてしまう劇的なはずのことがさらりとやってきて、でもお話はそのまま進んでいきます。思わず数ページ戻ったり、開いたページからなかなか進めなかったりするけど、それが嫌じゃない。

他の作家さんにはない独特の世界で、海とか宇宙とか人間の中身とか、宝石の国が好きな方にはおすすめできそうです。
セリフのない表現がたまらなくツボでした。
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しっとりとした物語
ネタバレ
2019年6月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様の世界にじっくりと浸れる名作です。
後半の土星の物語が特に面白かったです。
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幻想的
2018年3月25日
宝石の国が好きなので短編集も買ってみました。
幻想的な雰囲気は変わらず、ちょっと不思議な感覚に陥る本です。ただ、海とか月とか似たようなモチーフばっかり出てくるので、もうちょっと新しい要素にチャレンジして欲しいなとも思います。
SF要素もあるんですが少女漫画らしいSFさで、SFが苦手な人も読みやすいと思います。
なんて魅入られるSFでしょう
2017年1月29日
同時収録の作品全体的に
宇宙と海の未開部分、身体の不思議な部分が
同等に宇宙として表現されている感じ。

そして、人の感情の不思議。

他の方のレビューでもありますが
作品1つ1つに魅入られる世界があり
次の作品を読むのに頭の切り替えが要りました。

私は、「25時のバカンス」と、「月の葬式」が好き。
25時〜姉と弟の形容し難い愛情。
月の〜月の住人と天才。生と死の瞬き。

ともすれば中毒になりそうな
深い作品集でした。
蓮コラ表現ありなので注意
2017年1月28日
とても面白いです。
期待を裏切らず、市川さんにしか描けない世界観が広がってます。
この人の漫画が好きならぜひこの一冊も読むべきだと思います。
不思議な世界にようこそ
2015年9月27日
日常の中にぽっかり空いた穴から覗く世界。
狂気と日常が隣り合わせのようなそれでいてほのぼのさせる場面もあり読んでいる人を飽きさせない不思議な作品。
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独特の世界観
2015年8月23日
ファンタジーなのだろうが、表現方法は詩を読んでいるようでもあり、絵画を見ているようでもある。理屈より感性で楽しむ作品だと思う。
一読する価値はあり!
2015年8月16日
独特の世界観で面白いです。心の描写が言葉や表情ではなく情景で描かれているので、読み始めると一気に引き込まれていきます。表題作の「25時のバカンス」は満点でしたが、2作目の「パンドラにて」が少し残念。作品としては悪くないんですが「25時のバカンス」の余韻を引きずったまま読むと、入り込むのに時間がかかりました。
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作家名: 市川春子
ジャンル: 青年マンガ SF
出版社: 講談社
雑誌: アフタヌーン