4編入った短編集。うちファンタジー2編は作家様らしさが出ていてとても好きでした。
「死生獄門」、死んだ魂をこの世からあの世へ送る門番2人の切ない想いに胸が締め付けられるお話です。ラストよりも、触れたいのに触れられない2人の心情がとても印象的な作品でした。
「フェーン」、山の神と風の神の逢瀬が作家様独特の表現で描かれています。日本の緑豊かな山の特徴を見事に捉えていてほっこり。フェーン現象は時に厄介ですが、見方を変えるとこんなお話ができてしまうのかと作家様の捉え方にクスッとしました。
他2編は王子と騎士長、ホストと庭師のお話。評価が低いので応援も込めて星5つで。