ネタバレ・感想ありおとこのことおんなのこのレビュー

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インターセクシャルと女装男子
ネタバレ
2023年7月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 別な作品でインターセクシャルのテーマを読んだ事があるのですが、それとは別な切り口で。全ては奇跡的な偶然が重なって巻き起こる、“普通”にまつわる物語。普通って何だろう。良くないと思いつつ、伝わりやすさで私はあえて“普通”という言葉を使います。“普通”になれない者の苦悩。女装したいけど言い出せない男子。同性を好きとは言ってないので性同一性障害と言うのは時期尚早な気がしてしまいますが。そんな男子がたまたま女装バーへピザの配達をしに行く。そこでの出会いが彼を変える。一方で生まれつき女性らしい肉体を持つインターセクシャルの彼。ダブル主人公の型。インターセクシャルとしての肉体は呪いの体現のようで、母を望む彼にとっては否定もできずに共存していくものでしかなく、ただ中身は極めて“男性”で、付き合っていた彼女とも徐々に齟齬が大きくなっていく。この本の良いところは登場人物であるダブル主人公同士がくっ付かないところ。恋愛沙汰にしない事で、BLになる事もなく(笑)、個人間の恋愛事情として矮小化されなかった点が良い。
誰もにある「自分」
ネタバレ
2021年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題。
志村貴子&橋口亮輔W推薦。両者のファンなので必読でした。
当時作者さんは20代前半。その若さでこんな作品が描けるのかと驚かされました。

性に悩む二人の青年の物語。
重いテーマでありつつも、柔らかな絵柄と空気感でサラッと軽快に読み終えました。読後はすーっとふんわりした余韻を残します。
そしてその余韻から、各々考えて肉付けしていく作品かなと感じました。

性別に関しての多様性。
これは考える度に、難しいなぁと痛感します。

男だから男らしくしたい。男だけど女らしくいたい。
性に限らず自分の思考や価値観というのは、生まれ持った部分が大きいと感じます。兄弟が同じ環境で育っていても全てが似か寄らないのはそういうことかなと思います。
そう思うと誰一人として同じ価値観の人間は居らず、性に関しても多様性は無限なのではと思えてきて、だからこそ「受け容れる」という気持ちが人との関わりに不可欠だと感じます。そして他の受容という行為は、やはり「自分」というものを自分自身が受け容れてこそ出来ることなんですよね…。本来ならその手助けを親がすべき処ですが…。

この作中の2人の青年。互いの存在によって「自分」を受け容れることができた。そして次の段階に進むのに必要なのが、自分を否定していた側を受け容れることなんだと思うんですよね。この受け容れるのは、肯定するとは違う。事実として呑み込んで昇華する。壮くんの場合は複雑ですが、結局受け容れることによって彼自身が過去の呪縛から救われると思います。それをやってのけた彼の力強さが修にも波紋として広がっていると感じました。
すごく良かった!
2021年10月10日
それぞれ色んな事情があるんだなあ!
読み終わった後は凄く晴れやかな気分で、自分らしく生きていく勇気がでました!
胸がヒリヒリする
ネタバレ
2022年4月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自分は一体何者になりたいのかって難しい。それも十代や二十代でハッキリさせるのはすごい勇気だと思う。壮ちゃんは生い立ちも悲しくて、読んでいて胸がヒリヒリした。修ちゃんと出会ってお互いが良い心の支えになったことは良かったな。どちらも親とは和解できなかったけど、お互いが理解しあう許し合うのって時間がかかるよ。現実って厳しい。でも二人が幸せそうに笑っていたから、きっと大丈夫だろうと思う。いや、漫画に真剣になってしまった💦
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ジワる話
2022年1月18日
性別に関する問題は少しづつ変化や進化をしているけれど無くなっったわけではないし偏見の強い人達は少なからずいるわけです。なのでこういう作品は若い子にこそ良んで欲しいと思うのです。
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感動できない
ネタバレ
2017年11月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 性同一性障害の話かと思いきや母親のトラウマで女装をしてる男の子ってだけだった。もう片方の性同一性障害の男の子の話が薄すぎて読み切りだとあっさり終わってしまう感じ。母親と分かり合えず亡くなってしまうのもモヤモヤ感…。家を出た男の子も家族と分かち合えたのか…?内容は面白いけどささっと終わってしまって残念。
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作家名: 米代恭
出版社: 太田出版