ネタバレ・感想あり春風のスネグラチカのレビュー

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ブラッドハーレーから
2024年10月25日
同じ漫画家さんの作品で「ブラッドハーレーの馬車」を先に知りました。
絵、構図、台詞回し…とても丁寧に描かかれていて、密度の高い、満足感のある漫画を描かれます。1冊の読み応えがすごい。この先生の描く漫画が好きです。
巻末に史実のネタを書いてくれていて、読み返すたびに発見があるような、深みのある作品だと思います。
これは今に繋がる物語かも知れない
2023年7月18日
後書を読んで笑った「へぇ〜!?」である。ストーリーテラーとして、作者の凄みが再確認できる。興味深いのは「ホロドモール」、現在の世界情勢を予測して描いた筈もなく、10年程前に描いた、100年程前の話がまさに今、タイムリーな一冊。
時代って厳しい...
2023年5月14日
ロシア革命で最後の皇帝が殺され、レーニンもこの世を去って、本格的に共産党の支配下となったソビエト。共産党の正体に気づいた勘のいい人が危機感を覚え始めた頃の話。世界史に詳しい人なら聞いたことのある実在の人物も何人か出てきます。
訳ありの2人の主従が探し物をするに伴って、彼らが何者であるのか、謎が明らかになっていく形で話が進みます。
重い話ではありますが、読み進めながらも息苦しさを感じなかったのは、人の体温が感じられたから。繊細な絵の中に、生きるに易くはなかった時代に翻弄された2人の若者の生き様が描かれています。
最終的に、「探し物」を見つけて物語は終着点を迎えます。その後の2人の出した答えが正しいのかどうかはだれにもわからない。でも、冷たい土地にやっと春風が吹いて、読み手も張りつめていた緊張がほぐれていくように私には感じられました。
お茶請けには向きませんが、読みごたえのあるものを求める方なら、読んで損はないと思います。
映画を見終わったような余韻
2023年2月16日
キジ島を臨むオネガ湖畔の荒涼とした風景。
そこに現れた車椅子の少女と隻眼の若者。
このオープニングシーンだけで惹き付けられてしまいました。
物語が進むにつれて、ロシア革命、ロマノフ家、ラスプーチンと、薄いベールを1枚ずつ剥ぎ取っていくように浮かびあがってくる真実。
フラりと入った名画館で少し古いヨーロッパ映画を観たような、思いがけず心に沁みて、その余韻に浸っているような、そんな読後感でした。
本格!歴史ロマンミステリー
2022年5月17日
内容がしっかりずっしり骨太で、かなりおもしろかったです。最初から最後まで夢中になって、読むのが止まりませんでした。ただ、主人公に関してもう少し詳しく描いてほしかったかもしれないです。作品の雰囲気がとにかく好きでした
正統派!
2021年9月4日
エログロバイオレンス!
だけじゃない(というかほぼ無い)、でも『波よ聞いてくれ』のようなのでもない沙村先生の作品。
ミステリーなのかな?読者からはモヤに包まれた世界で少しずつ謎が剥がれ落ちていく気持ちよさ。
読み応え充分です。
ミステリー大作
2017年1月4日
「無限の住人」とも「おひっこし」とも違う沙村広明氏の第3の作風、シリアスなストーリーで魅せる映画的なミステリー作。
旧ソ連、それもロマノフ朝から連なる歴史の暗部を題材に新たに構築されたミステリー作。
謎の車椅子少女と謎の従者、彼女らが何を目的に何をしどこへ行くのか、旧ソ連という開かれていない世界の裏で、その隠された真相が明らかになる時、物語の謎が全て解ける収束巻は圧巻の一言です。
なるほど
2018年8月10日
最初は分かりにくいけれど、最後まで読み進むとなるほどな、と思います。ロシアが舞台です。
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