秘密が多すぎて、ほかの作品なら、なぜそれを早く言ってくれなかった?、と彼が怒りだすのではなかろうか。王室ファミリー内もそうだ。
状況の二転三転も、仕方ないと言いきれるだろうか? 口を閉ざす理由付けはそこまで強調されずに。
強引な展開が多いように思った。
国王も、極端な二回のヒロインとの接触の様子のあまりな落差ぶりを見せる。そこに時の経過や事情の推移ごあっても、ストーリーの中で提示が足りず、それで180度の転換とは、読者のこっちが戸惑う。
ヒロインの絵に、これぞヒロインとの風格が足りない。主役なのに結構影薄い。
彼の気持ちは良く伝わるが、終始引き気味のヒロインには熱ッ気が絵に感じとれず、王室ファミリーの確執に至っては、細かく説明されても今さら感もあったし、少し遠い他人事に読んでしまって、家族再生の共感がしにくかった。
王子サイドに立って考えて、良かったね、とは思う。
それにつけてもアラブの人たちの名前は確かにめちゃくちゃ長い。
あちらの人たちそのめちゃくちゃ長い風の名前について、そうそう!、寿限無じゃないが、とクスリと笑えた。