195ページ。((追記2022.8.17.カバー下が追加されて197ページ))
表題作+短篇3話+表題作の描き下ろし。
繊細で光をはらむような絵柄に甘い毒を含む、この作者さんはこういうのが良いな!シャボン玉の儚さがある、きらめく耽美。
それぞれは星4つぐらいな気もするんですが、じわじわくるものがあり、まとめて1冊で星5つ。
表題作は、ドロドロの血縁もの。親のいない家で三人身を寄せ合って暮らす異母兄弟、退廃的な空気で甘やかされまくりの壱葉がエロい。とらわれの蝶であった壱葉ですが、籠から逃げたその先には…?近しいからこそ引かれあう、血縁ものの醍醐味ドン!って感じで好きですね。ラストのページが最高。描き下ろしもダークで良い。
・『鬼さんこちら』土着信仰を絡めた話。上司との関係で左遷されたリーマンと土地に縛られた高校生。秘密さえ許されなかった勢田のつらさが良かったです。
・『花と青空と夏の終わり』1コ違いの幼馴染。甘々なだけでは終わらない、ラスト4ページが鮮烈。
・『鬼灯の実には毒がある』昭和初期(たぶん)の主従もの。一生続くであろう二人、ザ・背徳。