メインタイトルの『山岡くんのヒミツの恋バナ』。恋を知らない見た目優等生メガネ、実はヤリ●ンの女泣かせな山岡くん、はっきり言って「クズ」なんだけど、こういう男の子に限って何故か女の子の方が嵌まっていくの、わかる気がする。ピュアな保健室のセンセとの今後が気になる微笑ましいラスト。
2作品目の『カノジョが美人になった理由』でその後の2人が垣間見れて、思わず忍び笑いしてしまった。恋愛は需要と供給と割りきってた十代男子の変貌、可愛いね。こちらの作品は山岡くんにフラれた美人の愛子ちゃんのお話。切り捨てた過去の本当の自分の気持ちと向き合い、切なくもさっぱりとした前向きなラストにエールを送りたくなります。
3作目『悪いオンナのススメ』、高校生の頃から、付き合ってた彼氏の心変わりでフラれた大学生加奈子のお話。恋敵の魔性のオンナとの交流で、自分と向き合い、彼から離れて自立できたところで、元カレとの新たな関係を予感させるような優しいラスト。片思いでもカノジョ以外に好きな女(ヒト)ができたら関係をおざなりにせずお別れする元カレの姿勢は新たに好きになった女性と加奈子への誠実さでもあると私は見たけどどーかな。私はこのお話が一番好き。
4作目『サイテーのきみを忘れない』はまるで宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』だね。「よだか号」に「ほたるがわ」夜根国」だもの。死せる友との列車の旅路の不思議な物語。悲しい別れと託された夢は重いながらも歩き出す優希のラストは穏やかで、恋バナではないけどこのお話もとても良かった。
最後は5作目 不器用な高校生男女の恋模様『きみに残る声』、これも秀作。
優しく切ない珠玉の作品集。読後の余韻がとてもよいです。