ネタバレ・感想あり11のレビュー

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感情が複雑で、顔レビ決められない!
ネタバレ
2024年12月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ なんというか、映画『パルプ・フィクション』を見た後の気持ちに似ています。時系列バラバラで、1人の男のある時、ある時期、ある瞬間を周囲の目から見た物語の集合体。高校生時代の主人公春義を、顔だけで好きになるあざとJKの視点からはじまり、ギャグなのか冷笑なのかわからない感じで進みながら、だんだんと春義の育ったた環境が見えてくる。予想以上にハードな境遇の春義だけど、春義本人の気持ちが描かれることはなく、各話の視点もあくまで近所の人、同級生、教師など一定の距離を保って春義を見つめる人々。他人にはどうにもできないという現実的な部分と、突拍子もない個性的な登場人物との混ざり具合が面白いような哀しいような不思議な気分です。でも、あとがきにあるように、登場人物をどのようにでもすることができる権限を持つ作者さんのおかげで、アホギャルによる強制ハピエン!!面白い〜!読後感は、「え?そうなん?あ、ありがとう!!」という感謝の気持ちです。きっと各話で春義を見守ってた周囲の人と同じ気持ち!好みはあるかもだけど、私はすごく好きでした。作者さんの他の作品もクセあるけど大好きです
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1冊にギュッと。
2022年4月28日
春義にまつわる、11のお話。
重い感じで来るかな?と思ったら、1話目笑っちゃう感じで始まったので驚きました。
で、春義って何者?という疑問が読み進めると解かれて行くわけですが、この11話で構成される展開が大変お見事でした。

彼に関わった人々の目線で、春義が語られています。
彼の人物像が見えてくると共に、語り手である人々の生き様も垣間見えて、全体を通すと群像劇の様に思いました。

個人的には、春義がいつも俯瞰で人生を捉えて居るように見えました。
逃げたくなる現実に逃げ切れなくなったり負けきる前に、意図して軽やかに、しなやかにやり過ごしている様に見えました。
この重いテーマで読者に何も背負わせない春義が、愛しくて堪らなくなりました。
辛いときにこういう乗り越え方をする人、好きです。
自分が辛くても、周りへの優しさを失わない春義。
私も可愛くてたまらん(4話より)。

後半に進むに連れて、11話目にどう締め括られるのかヒヤヒヤしてきたのですが、まさかまさかでした。
うん、まさかまさかの結末。
こういうの…大好きです。

1冊という漫画の枠を十二分に活かした、良作だと思います。
難解、不思議、のちの奇妙な満足感
2021年9月12日
5名のレビュー読みました。買いました。尊敬。
この奇妙を受け入れられる皆さんのふところの深さよ。統合失調的魅力に必死こいてついていった気持ちです。ストレートな感情起伏は一切なくまるで宗教書を読むごとき心情でした。例えれば初めてナマコ酢を味わった感覚。再読を繰り返しそうです。不思議。
全世界の春義くんが幸せでありますように
2020年9月13日
重く深刻な題材を扱っているのに作者の手腕で無駄にダメージ受けないでいられる。話が進むにつれ「こうきたか」と唸ってしまった。ラスト良かった。
すごく良かった!
2019年12月11日
11個の短編ですが、繋がって最後には「良かったぁ」と涙ほろりな作品。
すごく面白かった。
個人的に春義がタイプです。
壮絶だけど、重過ぎない。
ネタバレ
2021年9月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様もあとがきで書いてますが、強制終了なハッピーエンド。おばかにはどんな不幸も敵わない?的な。
春義が、最後は幸せになれてよかった。
おばさんに拾われた以外幸せなかったもんね。
壮絶な人生なわりにまともに優しく育ったかと思えば、女性の好みがトラウマと絡み合った不幸フラグしかなかったし。
でも最後は笑いに救われたんだね。よかったよかった。
登場人物も多いし、こういう描き方だと思わなかったから、2度読んでやっと最初から最後まで結びついた感じ。
初めての感覚です。
なんちゃってハッピーエンド?
ネタバレ
2020年9月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 11話なので、タイトルも11?主人公が、とにかく生い立ちが気の毒でした。
なので、いい人と出会ってと願わずにおれなかったのに、最後見事に裏切られたような?そうで無いような?おまけ漫画でその後の幸せぶりでも描いてくれたら、このモヤモヤはなかったのに!って、ちょっと残念な作品でした。
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すごい
2017年8月3日
ある男性を周りの人から見た11話で成り立つオムニバス。
最初は笑える感じの軽い話かと思いきや、どんどんベビーな展開に。
おもしろかったです。救いがあって良かった。
胸に染み入る話
2016年9月10日
絵柄が好みで購入しました。
読みはじめは「人を選ぶタイプの短編集かな」という印象ですが、最後まで読み進めると短編のように見えていた話も全て繋がってきます。
話の題材は重めですが、読後は暖かい気持ちになれる話です。

静かでいて、人間の毒や、ダメさや、優しさを感じる話が好きな人は楽しめるかもしれません。
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作家名: いがわうみこ
雑誌: スピカ