巻数が多いのもあり『Natural』スピンオフ2本既読で食指が動かずにいました。
しかし、流石読ませる作家様、伝統芸能の魅力と主人公を掘り下げていく過程がよかった。
お役と絡めて、元カレストーカー母、ゴミ屋敷の片付け、タイムカプセルなどのエピソードは、他人の人生を知り寄り添うことでヒトとしての深みに繋がり、役者としても〜ということを描きたいが為の展開と思われる。
曽祖父懇意の芸妓さんエピソードも、憲人が思い描く相手は写真の女(淡い初恋)でしょ。そんなに好きな人(伴侶でも)の全部を知らないとなのかなぁ?そこにヒロイン兄が絡むというのも現実味なく感じてしまった。いやフィクションなのはわかってますが。
他作品でもふわっとしてるし、無理に恋愛を絡めない方がいいのではないかと改めて感じてしまった。主人公が青年期だし少女マンガジャンルだし仕方ないのかな。
型はあれど枠はない。役を掘り下げている役者でも同じ、素人だからと模索を制限するのはもったいない。もっと生きることを楽しもうと思えたのは収穫でした。