闇の果てから
」のレビュー

闇の果てから

津雲むつみ

ドラマの原作になれる作品

ネタバレ
2018年8月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 描かれている時代が少し古いので、価値観が今と違う部分があるのは否めませんが、3巻と短い割には難しいテーマを丁寧に掘り下げている作品だと思います。

ただ、ヒロインが精神科に通院している様子が全くないことに違和感を持ちました。

主人公が事件を覚えてないと言ったので、家族は忘れたままにしてあげようと思ったのでしょうが、度々嘔吐してしまう発作が心の病から来ているのは明らかなのに、医者に相談もしてないのは不自然に感じてしまいます。メンタルヘルスが社会認知される前の時代設定なのでしょうね。…
1度は辛い過去と向き合わないと、心の傷も癒されないと思っていたので、主人公が自らその行動を起こしたことに安堵しました。でも、1度故郷に帰って原点を確かめただけで病が乗り越えられるとは思えないんですがね…方向は正しかったから良しとします。
サスペンス仕立てで、犯人が捕まるかどうか、主人公が恋人と愛し合うことができるのか、読者も引き込まれますね。ドラマや映画の原作にもなりうる作品だと思います。
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