春の呪い
」のレビュー

春の呪い

小西明日翔

言い得て妙なタイトル

ネタバレ
2018年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「来世は他人がいい」でファンになり作者買いです。丁寧かつ淡々としたモノローグの心理描写が小説のようで印象的。ずるずるお話の中に引き摺り込まれました。

特徴的な絵柄の女の子がいつも好みじゃなくて残念だけど、男は独特な色気がある感じで好きです。
場面の切り替えや、切り取り方が上手い。会話の間などの独特な空気感や緊張感も映像作品観てるみたいです。

主人公の妹への過剰な愛情と執着にある背景や、自我を封印して生きてきた冬吾の人物像の裏にある見えない呪縛、モヤモヤしたものがくっきりと見えて来て、

常に淡々として無機質だった冬吾の感情が夏美の前で溢れ出た場面とか胸がザワッとした。キュンじゃなくてザワッと。
女としての本音を隠したまま逝った妹の情念を知った時の夏美にも。

重いだけのお話は嫌なので、2人の何処か抜けた空気感が救いに感じました。完結してるけど…その後が凄く見たい!
読み切り短編でも良いから何とかならないかなぁ😢
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!