8月のロスタイム
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8月のロスタイム

桃子すいか

春夏秋冬の恋人たち

2018年11月30日
春夏秋冬、それぞれの季節にまつわる4つの恋。どこか切なさを帯びつつ、優しい気持ちにさせてくれる作品集です。どのお話もじんわり沁みる温かさがあってとてもよかった。各話ごとの描き下ろしおまけがまた幸せな気持ちにさせてくれます。実はすべて同じ町のお話。
「隣りの美人草」
怪我で入院中の瑞樹の隣のベッドにやってきた綺麗なお兄さん。痛みを癒し合える関係が優しい。はちみつレモンが甘酸っぱいなあー。
「8月のロスタイム」
表題作。勢いで告白してしまった友人と恋人(仮)として過ごす夏のひと時。思い出を作るため、恋を終わらせるための1カ月。ラストの眩しい陽射しが印象的。
「落ち葉あふれて」他1作
亡くなった元恋人・高三郎の墓参りに訪れた恭と、高三郎の甥・紫苑。高三郎のやりたかったことを辿るうちに止まっていた時間が少しずつ動き出す。続編は恭と紫苑のその後。高三郎を忘れることなく進む二人の時間が愛おしい。
「冬来たりなば」
共に医大を目指すシュウとこーちゃん。家の事情も環境も違う二人が、幼い頃の約束を大事にして現実にするために頑張るお話。 来年この二人はどうなってるのかなあ。でもどうなっても、この二人ならもう大丈夫な気がする。
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