とりかえ・ばや
」のレビュー

とりかえ・ばや

さいとうちほ

帝に始まり帝に終わって

ネタバレ
2019年2月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品は紙の本でも全巻持っていますが、なんといっても主上(名前は一度も出てきません)が魅力的で、彼のために購入を決めました。
本当に見目麗しい男性で、帝としての重責に耐えうる強い精神力を持ち、他者への思いやりに溢れ、賢く穏やかで紳士的、まさに完璧です。
それを如実に表しているのが最終巻です。初夜のベッドシーンは出てきません。そこで色々と想像を膨らませる事が出来ます。
主上は沙羅に夢を見てうなされていたねと抱きしめるのですが、その前に苦悩の表情を見せる場面があります。おそらく抱いている間沙羅は何者かと合意でない形で契りを交わしたのではと察するような所があり、沙羅が寝ている時にうなされていたということで、確信に変わったのではと思います。さすが優しい主上だと思いました。
それらをあえて追求もせずただ全てを受け入れ沙羅を愛する主上。本当に感動しました。
また、梅壺に子が出来ないのは「自分のせい」沙羅(涼子)懐妊の折には「そなたのおかげぞ」など主上の素晴らしい人間性はこの作品の核になっているといっても過言ではないでしょう。欲を言えば主上の幼少期や皇ゆえの孤独についてももっと描いて頂きたかったです。
ともあれ大団円の結末で良かったです。
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