ひだまりが聴こえる -リミット-
」のレビュー

ひだまりが聴こえる -リミット-

文乃ゆき

毎回考えさせられるストーリーに脱帽

2019年4月29日
ひだまりが聴こえるをBLというカテゴリーだからという理由だけで敬遠するのはあまりにももったいないと常々考えている。もしそういう方がいるのならば、是非一度その考えを捨てて、読んでみてほしいと思う。この作品のすごいところは障がい者という点と男同士という点を同時に、かつそのどちらも疎かにすることなく焦点を当てて書いているというところだと考える。どちらかと言えばむしろ聴覚障がいということにより重点を置いて話を進めていると感じることもある。恥ずかしながら、障がい者について深く考える機会もなくこの年まで生きてきたので、この本を読んだことで知った知識も多くある。BLとしても二人の葛藤や二人を取り巻く環境を丁寧に描いているため、正直てっとり早く合体が見たい方やそういう心理の時には合わないが、じっくりとBLを読みたい時にはとてもおすすめの作品である。
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