めっちゃくっちゃ面白いです!





じっくり読むタイプなので。
さいとう先生の画力すごい。
長編にありがちな、敵かな?という人物の悪人役割からの退却がある。連載長期化により作者の情が移った結果なのか、それとも読者層に固定ファンが生じた?ことによる手加減からか、人物像に揺らぎがある。
当初は、外見的身体上の性と内面の性との不一致を真っ直ぐ取り上げるかという勢いがあった。
しかし、途中から肉体的造りへの同化で決着させる。それは、一種「花ざかりの君たちへ」の中津の立ち位置的(序盤だけ)な存在の人物によって、つまり女性として見た男の存在によって、無理にでも、主人公は女性の体を持つ事実に直面、心を次第にからだの性に寄せる事になる経過を辿る。
そこには、秘密や偽りの後ろめたい感じや、世の中を生きていくには危なっかしい所というのが、少し沈静化。物語としては、ハラハラドキドキ要素を落としてしまうその転換点を経てから、どうも作者は着地の時期を突如後ろ倒しにされた感じがしてならない。そして、山場に明確な敵出現と敵との戦いが用意されるが、もう「とりかえばや」の古典引用設定の醍醐味は活用しにくい状況だ。
老獪な作者なんだなぁと感嘆ものなのは、その転換点以降、つまり両者スイッチ後の「ヒロイン」サイドを、もう一度スイッチ前に戻らせるかのエピソードに遭わせ、利用して、みんなが胸中につかえていたものを解消させる結末へ向かう、そのうねりとしたこと。
帝の悩みはもういいの?、という気分は少しある。
権力争いは別種のものへと変質した気分もある。
丁度私が漫画から離れている時期に大活躍を繰り広げてきたさいとう先生、これほど物凄い先生だと知らずに来た。
シーモアさんで高い評価を受けていることを知ってから読んだ。まだ一作しか読んでいないが、本当に素晴らしい。いい鉱脈に巡り会えた気持ち。
一方、必ずしも実力通りとは言えないのに、夥しい数量の5星を並べている作品が電子書籍にある。
そうした薄気味悪い組織票まみれの作品と、本作のように力がありながら知る人ぞ知る「だけ」の地味なレビューに支えられている作品が、星数で負けるのは絶対に嫌だ。
これはと思う作品には、正当な評価を。
レビューを書く程まではと思うなら、せめて同意見のレビューアーさんの個人のレビュー頁まで行って「いいね」を!

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サイ さん
(女性/40代) 総レビュー数:1356件
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yuyuka さん
(-/-) 総レビュー数:159件
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おーと さん
(女性/40代) 総レビュー数:0件
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さくら さん
(女性/30代) 総レビュー数:1件
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ハニー さん
(女性/60代~) 総レビュー数:588件
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yuki_na06 さん
(女性/50代) 総レビュー数:0件
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ハナコ さん
(女性/40代) 総レビュー数:45件
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くぅちゃん さん
(女性/60代~) 総レビュー数:0件
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zawa さん
(女性/40代) 総レビュー数:0件
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ebin さん
(女性/60代~) 総レビュー数:10件
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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件
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黒猫クロ さん
(女性/30代) 総レビュー数:12件