みんな囚われの鳥のようでした





2019年8月19日
さすが座裏屋先生、この作品もとても美しく、流れるような情景描写でした。
各話の表紙絵の鳥籠が物語るように、この作品は状況や感情を鳥になぞらえながら暗喩されているようです。
まっさらなアラタはヒナ鳥のように感情を刷り込まれ、マキという鳥籠で飼われます。
最終話、墓地に集う白い鳥、マキがレンに心からの別れを告げた時に舞い上がる鳥、そしてマキが作った鳥籠に戻ってきた鳥、それらはまるでマキの許しを得て解き放たれたレンのようであり、レンの呪縛から解放されたマキのようでもあり、自らも自由になりそしてマキの心をも自由にしたアラタのようにも見えました。
構成的にはとても寝られている展開で好きなのですが、そのストーリーを淀み無く進める為なのか、各々の人物の具体的なエピソードが弱く、
何故そこまでの激情を抱くようになったか?
何故その人でなければならないのか?
といった、こちらが一緒に感情を乗せられてドキドキ読まされてしまうというような面ではやや弱いと思いました。
その点では、座裏屋先生だとコヨーテやリカー&シガレットが読んだことがある作品の中では秀逸だと思います。
しかしそういう場面を削ったからこそ、この流れるような美しさで纏まったとも思えますし、私は楽しめたので評価は満点です。
各話の表紙絵の鳥籠が物語るように、この作品は状況や感情を鳥になぞらえながら暗喩されているようです。
まっさらなアラタはヒナ鳥のように感情を刷り込まれ、マキという鳥籠で飼われます。
最終話、墓地に集う白い鳥、マキがレンに心からの別れを告げた時に舞い上がる鳥、そしてマキが作った鳥籠に戻ってきた鳥、それらはまるでマキの許しを得て解き放たれたレンのようであり、レンの呪縛から解放されたマキのようでもあり、自らも自由になりそしてマキの心をも自由にしたアラタのようにも見えました。
構成的にはとても寝られている展開で好きなのですが、そのストーリーを淀み無く進める為なのか、各々の人物の具体的なエピソードが弱く、
何故そこまでの激情を抱くようになったか?
何故その人でなければならないのか?
といった、こちらが一緒に感情を乗せられてドキドキ読まされてしまうというような面ではやや弱いと思いました。
その点では、座裏屋先生だとコヨーテやリカー&シガレットが読んだことがある作品の中では秀逸だと思います。
しかしそういう場面を削ったからこそ、この流れるような美しさで纏まったとも思えますし、私は楽しめたので評価は満点です。

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