僕の心のヤバイやつ
」のレビュー

僕の心のヤバイやつ

桜井のりお

尊さの最適解

ネタバレ
2019年9月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 徹底して男目線のモノローグなので、ヒロイン・山田の心情は読者が推察するしかない。恐らく山田は男の子に苦手意識を持っている。自分に近付いてくる男子は肉食系が多いから。でも主人公の市川はオドオド喋り、近付けば離れていく、草食系。「面白い」が最高の誉め言葉の山田にとって、突飛な言動をする市川は気になる存在となった。初めは他の男子と同じように冷めた目線を向けていた山田が、嬉しそうに愛しそうに市川を見つめるようになる。平穏を保つために自己犠牲も厭わず暗躍する市川。自分に向けられた優しさに気付き赤面する山田。自ら繰り返しアプローチし好意をぶつける山田。秘密の逢瀬を重ねて親密度を高めていくシチュエーションなど、尊さを感じずにはいられないシーンが随所に見られる。本作は欠かさず連載をチェックし、単行本も発売日にすぐさま購入するほど気に入っている。連載ペースが遅く、新刊がなかなか出ないのが大変もどかしい。
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