このレビューはネタバレを含みます▼
民族モノ&男の娘モノ。1巻は、エキゾチックな世界観、双子の妹の身代わりで兄が嫁ぐ設定、ラムダンやウルジの美しい容姿にまあまあ満足でした。
そして待望の2巻。うーん…正直期待した割にはって感じかなあ。お話がやたら回り道してる印象を受けました。1巻の終わりで強キャラっぽく登場したウルジの兄・バドマですが、終わってみれば肩透かし感半端ない…。過去話伝達役兼ウルジ→ラムダンの独占欲を描きたいが為だけに出したキャラに見えてしまいました。こうなると、新たに出て来た第二夫人候補の子もあっさり退場なのかなーと思ったり。後々これらが全部伏線だったらまだ良いのですが。
あと気になったのが、ラムダンの人物像。1巻は「アホの子だけど元気で優しい男の子」って印象でしたが、2巻は「アホの子だけど元気で優しい女の子」って印象を受けました。BLの主人公から、一昔前の少女漫画の主人公になった感じ。
元々ラムダンの言動にはあんまり共感出来てなかったのですが、2巻で更に「なんだかな〜」と思うようになりました。例えば、ララの結婚が実はウルジとその友人によって仕組まれたものだと知り、ラムダンが「俺たちの人生を愚弄した!」とショックを受けるシーン。自分は「そこまで言う?」と思っちゃいました。出会いはどうあれ、恋愛して駆け落ちしたのはララの意思だし、入れ替わりも2人の意思だよね?相手から折檻されたり奴隷商人に売られたならまだしも、2人共普通の生活を送りながら、一定の愛情を注がれてる訳で。(殊にラムダンは十分過ぎる程の愛と、贅沢な生活を享受してるのに…)
そもそも当初ラムダンは入れ替わった後、隙を見て脱走する算段だった訳ですが、それこそウルジやその家族を愚弄しようとした事にはならんのか?なんだかラムダンの複雑な心境をわかってあげられなくて、温度差を感じました。
2巻も次巻へ煽る感じで終わってますが、正直1巻終わり程の期待感はあまりないかなあ。修正はがっつり白抜きだから見た目はほぼ男女のHだし…。でも絵自体は文句無しに綺麗で目の保養にはなるので、次巻はまた出る頃に検討したいと思います。