仇椿ゆがみて歯車
」のレビュー

仇椿ゆがみて歯車

吹屋フロ

壮大なスケールで描かれる時代ものBL

2020年5月20日
高レビューのランキングでずっと上位を占めていて気にはなっていたんですが、ちょっと値段がはるのと何となく絵の苦手意識から購入を躊躇していた作品。多くの方がレビューで大絶賛していて、特に「絵が苦手だと思ったけど買って良かった」との声が多数だったので、とりあえず試し読みすることに。と思っていたら、100ページ超の試し読みが終わってすぐに購入してしまっていました!表紙含めなんと全437ページの大ボリュームで、絵の苦手意識なんて全く気にもならずとても惹き込まれてしまいました。確かに一癖ある絵柄ですが、背景の隅々まで驚くほど丁寧に描き込まれており、決闘のシーンの躍動感も凄い。刀爾の壮絶な過去と、武雄と一馬の太陽のような温かさ。なぜ好き合っているのに斬り合わないといけないのか、時代の理不尽さやそういう当時の武士道の心得にモヤモヤしたり、お互いを好きで尊重するからこそすれ違う運命に共感したり絶望したり。まるで良く練られた時代映画を見ているように、キャラクターの一挙手一投足に共感し一喜一憂しながら読めました。確かにお値段は少し張りますが、ボリュームを考えるとコミックス2巻分の値段よりもずっと安いし、それでこのクオリティのものを読めるならもう格安といっても過言ではないです。絵の好みで購入を躊躇している方、絶対買って損はないです!
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