無能の鷹
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無能の鷹

はんざき朝未

笑えませんでした……

2020年6月1日
『五時に夢中』で新潮社の中瀬ゆかりさんが押していたので、立ち読みしていたら止まらなくなって購入しました。鷹野さんは今までにないキャラクターで、「こんな人いるわけないだろ!」と思いつつも、この会社の人々があまりにもほんわかしていて、「こんな会社あるわけないだろ!」と突っ込んで大爆笑しているのが大半の読者の方だと思います。しかし私は鷹野さんとおんなじようなキャラクターで、泣きながら読み進み、最後は大号泣してしまいました。私は、研修期間では完璧に覚えて太鼓判を押されて独り立ちするのですが、いざ実地になると何がなんだかわからなくなるのです。頭の中が真っ白になり、その場にフリーズしてしまいます。焦ってしまうので、「やってはいけないこと」を逆にやってしまいます。教育係に「あんたなんて大っ嫌い!」と叫ばれたのも一度や二度ではありません。人間関係が次第に悪くなり、いたたまれなくなって短期間で退職するというパターンが多い人生でした。なまじ超有名進学高校出身なので、「仕事ができそう」という先入観を持たれるみたいです。ああ、私も鷹野さんのようなメンタルだったら!鳩山さんのような上司がいたら!本当にうらやましくて、泣きながらレビューを打っています。
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