2巻でまとめる作者さんの手腕に脱帽!





2020年6月9日
1巻232ページ、2巻250ページでボリュームたっぷり大作です。過去のトラウマから解離性同一性障害(多重人格)を患うカズハ&レイと、幼馴染の悠真のお話。カズハにはレイを含め複数の人格があり、メインとなるのは優しいカズハとちょっと強引なレイ。多重人格というヘビーで難しいテーマを上手くBLに取り入れたなぁと感服です。ビジュアルは確かに一人の人間なのに、人格が入れ替わる毎にちゃんと違う人に見えるから不思議。きちんと描き分けできる作者さんの画力もすごいです。悠真の支えで自分と向き合うカズハ&レイから、作り出した別人格が少しずつ消えて統合していく展開も無理がなくて上手だなぁと思いました。最後は主人格だけになりますが、そこに至るまでやその後のまとめ方も良かった。7人も人格があるのでもっと引き延ばそうと思えばできるお話だとは思うんですが、敢えて2巻にまとめたのが良かったと思います。とても重いテーマなので軽くは読めないし、3巻以上に引っ張っていたら逆に中だるみしたり重すぎて読むのが疲れていたかも…。ギュッと濃い2巻になって、個人的には良かったと思っています。あとは皆さんが口を揃えておっしゃる神修正。これで全年齢向けで良いのか不安になるレベルの神修正です。ヘタなR18作品より甘い修正かも。局部の描写に作者さんの気合がヒシヒシと感じるので、心無い修正で無下にされなくて良かったです。

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