青のフラッグ
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青のフラッグ

KAITO

感動、感動、感動

ネタバレ
2020年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本当に人物の描写が素晴らしい作品です。仕草や間の取り方が細かく描かれており、リアルに感じられることでグッと感情移入しやすいのかと思います。登場人物の感情が場面場面で心に刺さり、随所で泣いてしまいました。繰り返し読むと登場人物のことを知ってるだけに、最初に読んだ時とはまた違った場面で泣いてしまい、これは電車で読んだらダメだな…と思いました。中でも個人的には真澄の心情が切なく感じました。太一の「男の子」の部分に惹かれる二葉を目にした時、女である自分が触るだけで照れてしまう太一を改めてそれが普通だと感じた時など、どうすることもできない苦悩が伝わってきます。
あと誠兄のトーマへの家族愛は涙なくしては語れません。
最終話は賛否あるようですが、私としてはアリでした。ノンケだった太一がトーマを選ぶことに納得できない、トーマを選ぶのはいいとしてその過程がないのは無理があるといった意見がありましたが、それまで太一はそういう目でトーマを見たことがなかったから所謂ノンケだったわけで、自分への好意を知ってから一緒に過ごしていたら次第にそういう方向に行くことがあってもおかしくないと思います。まだ恋愛感情を持っていない状態でも、もしトーマが他の人に惹かれ出したら寂しく感じるだろうし、独占欲も沸くと思います。そういう積み重ねで二人が結ばれたのだとしても不思議はないです。その過程が大事でしょ!という意見は分かりますが、そこは読者があれこれ想像するのもまた楽しいんじゃないかなと思います。もちろん公式のエピソードがあればぜひぜひ読みたいですが◎
高校生にしてはみんなしっかり意見言い過ぎかな~と思った場面もありましたが、総合的に本当にいい作品でした。
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