このレビューはネタバレを含みます▼
ひみセフが好きだった作家さんなので、久しぶりに新作だ!と思って購入。Ωバース物は好物で色んな作品の設定のバリエーションに特に興味があるのですが、この作品は「あなたの町のΩバース問題」的な展開で面白いと思いました。Ωバース物は第二性を持つ世界に生じる理不尽さをどんな比重で描くかが結構大事な部分だとおもっていて、性差がもたらす恋愛、家族、職業、ヒエラルキーなどにおける軋轢や理不尽さに翻弄される主人公たちがそれらとどう戦って悩んでがんばって最後に幸せを掴むかを楽しみに読ませてもらっています。この作品は今まで読んできたΩバース物に比べてより一層「現実に第二性が存在したらどうなる?」を描いているなと思っていて、ふたりの番の間で揺れるΩの主人公の苦しみや抱える事情を3人がお互いを思いやってひとつの道を見出していく過程を丁寧に描いているのが良いなあとおもい。そして、ちゃんとドスケベフレンズ対応エピソードをガッツリ楽しませてもらいました。