このレビューはネタバレを含みます▼
前作であまりにもいい人過ぎた夏朗さんが主人公のスピンオフ!是非とも幸せになってほしいな、と本作が単行本になるまで指折り数えて待っていたのですが、漸く現れたお相手が大分壊れているというか、そう簡単には他人に理解されないであろう性癖持ちで……前作で夏朗さんがキツい失恋をしたことを考えると大丈夫なのかこの二人……?と思わずハラハラしてしまいましたが、意外にも情熱的で困難な恋にも立ち向かっていく夏朗さんのガッツ?で最後は見ているこっちがテレるラブラブかっぷるになり、嵐の後のボロボロになった街で、雲ひとつ無い空を笑いながら仰ぎ見るような、不思議な読後感のある物語だったなと思いました。「恋育」というあおり文句が帯についているそうなのですが、ほんと雛鳥にご飯を一匙ずつ一匙ずつ慎重に与えては馴らしていくみたいな感じで……夏朗さんじゃなきゃとっくに匙投げてるよな、と考えるとまさに運命の恋だったんじゃないかと思います。最後の方にちらっと出てきた前作の主人公の笑顔で心からホッとしたというか、報われた気持ちになりました。ありがとうございました!