親愛なるジーンへ
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親愛なるジーンへ

吾妻香夜

尊すぎる!

ネタバレ
2020年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作ラムスプリンガの情景が大好きで新作が出てて嬉しいです!またまた一本の映画を観たような深い読後感で今回はさらに時代背景を考えさせられたり教養的な要素もあってとても楽しめました。お互い恵まれた環境・故郷で育ったと感じながらも、どこか満たされない孤独や羨望や葛藤を抱えて生きてきて、共に過ごしていく中でそれらをありのまま丸ごと受け入れて与えてくれる存在に出会い、心から安堵した時のトレヴァーの涙のシーンに胸が熱くなりました。家族愛、親愛、情愛など色々な愛の形が出てきますが、どこをとってもあたたかく美しいです。ドイツ語でのジーンの告白も最高でした。神様だなんてどれだけ尊くて愛しいのか、感慨深いものがありました。トレヴァーの両親も過去に“あなたは私たちの神様よ”と愛を伝えていたところでぐっときて一緒に泣いてしまいました。心理描写がうますぎです。もう映画化したらどうでしょうか。日記から回想する展開ですが、ジーンとの関係がどうなっていったのか、続きが待ち遠しいです。
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