放蕩息子と恋の穴
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放蕩息子と恋の穴

九號

感動…そしてやはり蜘蛛は益虫

ネタバレ
2020年9月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLは色々なこじらせ方がありますが、穣さんのこじらせ方は胸が痛くなりました。ゲイであることを隠し、家族や周りの人にはそんな素振りを見せずに爽やかに振る舞い、一見恵まれた環境…でも本質的には孤独。自分の中に沸き起こる性欲をあさましいと捉え、自ら処理して抑え込む姿は切なくて泣いてしまいました。そんな穣さんの前に現れた蒼佑。11年前の初恋マジックはあるものの、ちゃんと「今」の穣さんを好きになっていきます。蒼佑は見た目こそ軽薄そうですが、根気強くて、何より優しい。穣さんの体よりもまず気持ちを手に入れようと奮闘します。とはいえ決して根負けさせたわけではなく、穣さん自身がちゃんと蒼佑を好きになっていくんですね。最終的に穣さんが蒼佑に思いを伝えるシーンではもうボロボロに泣いていました…。またこの作品はページ数が多く、そういった心境の変化がしっかりと描かれているところがとても良かったです。あと、地雷の方がいるか分かりませんが(?)蜘蛛がちょっとだけ出てきます。物語の序盤、気まずくなった二人の空気を和らげてくれます。害虫を食べてくれるだけじゃありません!お家で見つけたらぜひそっとしておいてあげましょう(笑)
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