言ノ葉ノ花《コミック版》
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言ノ葉ノ花《コミック版》

三池ろむこ/砂原糖子

上下巻読了!目頭が熱くなりました…

ネタバレ
2020年9月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小説のコミカライズ版とのことで、原作は未読ですが三池先生の雰囲気のある絵が好きなのと試し読みで続きが気になったので購入。上巻170ページ、下巻188ページ、表題作のみでかなり読み応えのある作品です。突然心の声が読めるようになった余村さんと、同じ職場で働く寡黙な長谷部くんのお話です。人の裏表のある心の声が聞こえるようになって絶望していた余村さん。長谷部くんの温かい言葉が壁になって、聞きたくなくても聞こえてくる声から余村さんを守ってくれていて、余村さんのその安心感が絵からも伝わってきました。余村さんと長谷部くんのすれ違いだったり、お互いの幸せな感情・辛く悲しい感情がとても丁寧に描かれていたのが良かったんですが、最後だけ想いを伝え合ったところでブツっと途切れて終わった印象だったのが残念でした。ハピエンなんですが、その部分の積み重ねが少し不足していてその幸せな読後感に浸りきれなかったです。描き下ろしで、駅のホームで想いを伝え合った後の数時間くらいの状況が描かれていますが、最後星が出てくるあたりもちょっと抽象的すぎるというか、もっと分かりやすくハッピーエンドだったら尚良かったかな。
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