このレビューはネタバレを含みます▼
無料立ち読みの時には闇系のお話なのかな程度であまり興味は湧かなかったのですが、評価が高かったので読んでみました。柏瀬が大人の身勝手や欲望に振り回されて苦しめられた中学生の頃から、成長するにつれ大人と対等になり、穏やかな大学生活を送るまでが描かれています。柏瀬は自分がかわいそうだから星谷はつきあってくれていると思うのですが、同情心から側で支えていた星谷はいつしか柏瀬を愛するようになっていました。妊娠検査薬を使うくだりが本当にせつなくて、好きなだけでは男同士でずっと一緒にいられないと寄る辺のない高校生の2人が思い詰める様子に涙が止まりませんでした。読んでいて辛い場面もありますが、読めてよかったと思います。忘れられない一冊になりました。2016年2月 総180ページ 修正=見えない構図、一部トーン、アウトライン。