このレビューはネタバレを含みます▼
作品のすばらしさは、ほかの方が十分に説明されていますので…
個人的には、関東大震災に遭遇して避難するシーンが数話にわたって続いたところを読むのがつらかった。
阪神大震災、東日本大震災を経験した方には(私もそうです)、当時の様子がフラッシュバックして、涙を流すほどに、その悲惨さ、くやしさ、絶望が克明に描かれています。
ふわふわした感じのストーリーの出だしですが、親子きょうだいでありながらも憎しみあう様子が随所に現れ、かわいい絵柄のキャラクターだからこそ、中和されて読めるのではと思うほどに、展開は重いです。
ラストはハッピーエンドで安心。作品途中から、珠彦(主人公)の妹の珠子が敵から味方に変貌していく、その兄妹愛が見事です。