このレビューはネタバレを含みます▼
他人に触れられると棘が刺さるような激痛を感じてしまう織部くんと、その治療の為に出逢った鰐淵先生との甘くてハッピーなお話です。他人との肉体的な接触が苦痛でしかなく、恋愛はもちろん深い心の交流もずっとできなかった、棘のお城に一人ぼっちで住む織部くんが、触れられても痛みを感じないだけではなく、さらに痛みの棘が抜けてゆく感覚を生まれて初めて味わったのが鰐淵先生でした。そのまま一直線に恋へと突っ走る織部くんと、いとも容易く織部くんの恋心を受けとめてくれる鰐淵先生。でも、実は鰐淵先生もまた、他人を愛することが出来ない、織部くんとは違う形の孤独なお城の城主でした。一人ぼっちだった二人が恋人となって過ごす、昼間の公園でのお弁当デート、明け方の湾岸での二人だけの散歩、満月の夜のお誘い、海辺で拾う貝殻の指輪、甘くてキュンキュンします。鰐淵四兄弟プラス母の出演も楽しかったです。
お互いにお互いしかない、甘くトロけるシュガバタマーガリンなお話、とっても癒されました。