狼領主のお嬢様
」のレビュー

狼領主のお嬢様

柑奈まち/守野伊音/SUZ

今年読んだマンガの中でトップ3確実な傑作

ネタバレ
2020年12月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ ジャンル問わず毎月50冊近く読む漫画オタクですが、2020年で出会った作品の中のトップ3入間違い無しの良作でした。何でもかんでも乙女ゲーの悪役令嬢に転生する昨今の風潮とは一線を画した転生物設定も、ストーリーの練り込みも本当に素晴らしい。1巻も2巻も3巻も、それぞれでストーリーに波があり、全く飽きない。キャラの心理描写も丁寧で、何度も涙しました。これで終わりかと思いきや、もう少し続くとあとがきにあったので全力待機です!

きっと設定の練り込みや心理描写は原作が優れていると思うのだけど、画力もすごかった。特に1巻で何度か「瞳」がキーワードになるが、表情の書き方が秀逸。苦しそうに目を少しだけ細める様子や、何かを堪えるように笑みを作る表情を見ると、それを見た登場人物の気持ちに憑依するくらい感情が揺さぶられた。
また、個人的には2巻で「私のこと好きだった?」と確認する場面で、主人公は過去形で聞いているのに、彼は現在形で答えたのがグッと来た。それにまた過去形で返す主人公が切ない…そんな小さな言葉尻一つとっても、表現が凝縮されていて、本当に良作です。早く次巻を出してほしい…!!
いいねしたユーザ23人
レビューをシェアしよう!