このレビューはネタバレを含みます▼
義理の兄弟(だと思っていた)兄・忍と弟・竹蔵の近親愛。忍の息子まで絡んでくる闇ストーリー。究極の自己愛に狂った人たちなのかもしれない。救いようのない結末だけど、嫌悪感はなく、忍さんの手紙と最後の笑顔には涙が出た。そこには、狂った自己愛じゃなくて、確かに竹蔵を愛する気持ちがあったから。でも、それを受け入れることはできなかったのかもしれないし、気持ちが緩んだだけかもしれない。誰にも分からない。忍さんと竹蔵は、結局は自分たちで選んだことの結果だけど、大人になった息子の要くんが抱かれている闇が、誰を思っての闇なのか、苦しくて仕方なかった。継承された薫に胸が痛む。