このレビューはネタバレを含みます▼
「愛という名前」が好きだったので作者様買いです。10歳で娼館で客をとっていた、けもののナズナ。客がつかず殺処分寸前のところで新しい飼い主の旦那さまに買われます。今までの客とは違う扱いに戸惑い、夜のお相手が務まらなかったナズナに旦那さまは家事のお仕事を与えます。19歳になっても旦那さまはナズナに触れず、ナズナの心は旦那さまがいっとう好きという愛しくて切ない想いでいっぱいに。もう・・もう・・胸が痛くて読むのが大変でした。ショタっぽい表紙絵だし、けものってことで好みが分かれそうなのに評価高いな、と思っていたけど、これは高いはず。健気なナズナが本当に可愛い。旦那さまと幸せに過ごす日々の中で、ナズナの嬉しいも愛しいも、哀しいでさえ、全て旦那さまでできているナズナ。けれど旦那さまはナズナの気持ちを受け入れません。ナズナにとって何が1番の幸せか、旦那さまなりの考えがあるから。何を考えているか読めない、頑固な旦那さま。だからこそ一度決めたなら、その覚悟が一生物だと信じられます。たくさん泣いて、たくさん頑張ったナズナはいっとう幸せなけものになるのでご心配なく。