悪魔さんとお歌
」のレビュー

悪魔さんとお歌

森下真

ディストピア作品が好きならおすすめ

ネタバレ
2020年12月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 悪魔さんと「へたっぴ」のとても歪で温かい関係にほっこりできます。
ぺたっぴの二面性が最高にゾクゾクしました。
あの赤目をそのままカラーで掲載してくれて嬉しい。
こういう闇チラ見えほっこりギャグテイストでずっといくのかと思っていたので、2巻の展開には動揺が隠せませんでした。
でも流石ですね、物語をまとめるのが上手い。
もちろん世界観(世界の謎)を完全に理解することはできませんが、数巻かけて描けそうな内容を上手く2巻で落とし込んでいます。素晴らしい。
こういうディストピア系の作品は、サクッとまとめてくれた方が私の精神的に嬉しいので個人的にはこの長さで丁度良かったです。
最終章は初手でボロボロ泣きました。その後は感情がジェットコースター状態。
最後は衝撃的すぎて一瞬頭が真っ白になりましたよ。
でも個人的にはふたりにとっての「幸福」なラストだったと思っています。
一般的にはメリバなんでしょうけどね。ハピエン厨の方にはきついと思われますので1巻で止めておくのも手かも。
願わくば、ああなってしまった彼をどこか安らかな場所へ連れて行って欲しいと思ってしまいます。
あのままだと吊し上げにされそうで…。あの助けた男の子が気づいてくれるなら尚良いですね(妄想)。
ひとつ我儘を言うなら、あのあと人間と悪魔の世界とその関係がどう変わったのかがわかれば良かったな~と思います。

ちなみに1巻外伝は魔界のお話、へたっぴのダイエットの話、最終回を示唆する話(12.5話)が読めますよ。
2巻の報告書や日記はこの作品の世界観を拡げてくれるので必読。
この外伝3を読んで、出るかもわからない2巻を待ち続けたファンの皆さまには敬服致します。
正直ページ数の割にお値段は可愛くないですが、Webで読んでいたって方でも、描き下ろし外伝と最終章のために買う価値ありです。

【1巻】総P138 (キャラ紹介P2、おまけ漫画P1、あとがき漫画P1)

【2巻】総P156(おまけ漫画P1、「古い報告書」「とある若い教師の日記」「とある悪魔の独白」「成果報告書」各P1、あとがき・おまけ4コマP1)

※シーモアさんには電子特典は付きませんのでご注意下さい。
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