このレビューはネタバレを含みます▼
親の経営するアパートに、管理人として一人で暮らす就活中の大学生夜空。ある日、遠い親戚にあたる高校3年の晴真がアパートに越してきます。荷物もほとんど持たず、見るからに心許無い晴真は、幼い時に母親を亡くし、海外赴任の多い父親の都合で、ずっと親戚中をたらい回しにされ、自分の居場所を持ったことがありませんでした。初めは親に言われて義務感から晴真を気にかけていた夜空ですが、少しずつ晴真と心を通わせるようになってゆきます。夜空もまた、就活やバイト先の店長とうまくゆかず、苦しい思いを抱えていました。どこからも誰からも必要とされない寂しさを持つ二人が、お互いを必要とし、大切に想い合うようになる過程が丁寧に描かれています。晴真の辛い過去、夜空の焦燥感も昇華されて、明るく希望に満ちたエンディングに癒される作品です。
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