このレビューはネタバレを含みます▼
主人公若草が、親戚から貰い受けた古道具屋を始めるところからお話がはじまります。持ち込む人、持ち込まれる道具、買ってゆく人達が、どうもこの世の人らしからぬ上に、クールな友人の天宮、天宮にそっくりな自称・唐傘お化けのキッカが下宿人として若草に関わってきます。持ち込まれる一つ一つの道具と、それに関わる人たちのエピソードを重ねてゆくうちに、少しずつ若草自身のブラックボックスが明らかになってきます。持ち込まれる道具にまつわる一話ごとのお話に力があり、それを堪能しているうちに、最後にグルリと全く違う視点に立たされるという、ARUKU作品でしか味わえない醍醐味が味わえます。
一読目と二読目、全く違う読み方ができるのも、さすがさすがで素晴らしいです。
『楽しい俳句教室』の続きも読めて、ほんわかしました。