にいちゃん
」のレビュー

にいちゃん

はらだ

登場人物みんな変

ネタバレ
2021年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 他レビュー見て、やたももみたく後味悪いと思いきや病的な割に爽快感ある展開。
主軸はわがままで一途なゆい(受のち時々攻)、心の闇をゆいにぶつける景にいちゃん(攻のち時々受)のカップル。ゆいの協力者まい(男嫌い)がよく動いて別軸が見える。この3人の中では一番まいが大人かな。
にいちゃんは闇が深すぎて本当は受なのだが、恋しい人に分かってもらえなくって…おいおい、まい父!君の娘は景のこと、すぐ分かったぞ?少年が好きな変態だったのに、何でもウェルカムだな?君は。ということで、元凶であるまい父には悲惨な目にあって欲しい。どうか幸せになるな。
そして終盤は行く末どうなるか、という余韻がある。ゆいの吸うタバコの後口の様な。二人してクスリで沈んでいくんだろうが表現見事。
…これだけの内容を一冊によくまとめたな〜、と思いました。
おもしろかったです。

幼児性について(退屈な話でございます)/基本的に子供とは自己中で我儘な存在だ。当たり前だ、この世に産まれ落ちて大人の手が無いと生きていけない。生きていく為の食料を得るのに「私は後で結構です」なんて言っていたら動物としての生存競争に敗れてしまう。自己中・我儘とは生きていく為の基本的本能だ。それを時間をかけて社会の中で生きていけるヒトにするのが親の仕事である。ヒトになること、それは自分のある程度の欲望に見切りをつけ、繊細に感じる心を一部分鈍化させ、社会と同化することだ。もっと言えば誰かの為に動ける人間になることである。とんでもなくつまらなく、辛い事も多いが得るものも大きい。我々の先祖もそうして生きてきた。そうして守られて我々は大きくなった。その観点で言わせてもらえば、本作の2人ははっきり言って幼児だ。身体が大きくなり若干の知恵がついただけ、性欲と自己防御欲のオバケである。ゲイがいけないとか、子供との恋愛がいけないとかの問題ではない。(子供の恋愛は社会経験値が少ないが故にリスクは大だが)
ヒトとして生きる姿勢が大学生、社会人にもなって出来ていない。
ゆいの自己欲ばかりで都合の悪い事に目を向けない(切り捨てる)姿勢・景の自己欲の為に他者に損害を与える姿勢、確かに親の育て方に問題がある。心に闇があるだろうが、、この二人にも一応頭はついているのだ。自分で考えろ…ああ、それが出来ないからこうなったのか。…バカ者め…。
本当、問題児しか登場しない。
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