積木の恋
」のレビュー

積木の恋

凪良ゆう/朝南かつみ

タイトルが2人に合っていて素敵です

2021年1月22日
BL小説ですが絡みはそれほどなく、どちらかというと劣等感と疎外感を感じている蓮(受)をただひたすら加賀谷(攻)が信じてじっと待つ、という感じでしょうか。身体ではなく心が繋がっていく過程をそっと見守っていくような作品でした。
個人的に凪良作品は余韻が酷くてたまに放心状態になってしまうこともあるのですが、こちらはそこまでではなかったかも。とはいえ、この作品も心理描写が丁寧なので切なくなる場面がそこかしこにありますが、BL特有のものではなく社会的・世間的に弱い人間が持つ切なさなので読んでて堪らなくなりました。
最後に加賀谷目線の話も入っていますが、加賀谷の優しくて温かい気持ちがいつか蓮に伝わるといいなぁと思いながら読み終えたので読後感は良かったです。後書きを読んでタイトルの深みが増したので、是非最後まで楽しんで欲しいです。
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