このレビューはネタバレを含みます▼
ニィーニの森では赤身の肉は食べられなくて、色んな生き物が仲良く暮らしています。その森の中の湖には妖精が住んでいて、満月の夜には出てきて何でも願いを叶えてくれるのです。第一話はニィーニの森で、知らずに赤身の肉を食べてしまい呪いにかかってしまったウサギと子豚のお話。第二話は、呪いの解けたウサギのタドタの恋人・オーウェンに恋する猫族のココとココを育てるウルフの話。ウルフの無償の愛と、その精一杯の命の使い方に涙が出ます。番外編『蛹の脚』は、擬人化無しのガチのカブトムシBL、一夏という命の儚さに人間が夢をみます。第三話は、人間とウサギ族との争いを中心に、オーウェンとタドタの出会いから二人がニィーニの森を目指すようになるまでが描かれます。独特の絵柄と世界観とがマッチしていて、ファンタジーそのものなのですが、全体を通して命がテーマになっており、しっかりとした読後感が味わえます。